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僕は本屋の新刊コーナーの前に立ち尽くしていた。買おうと思っていた本がない。その作品が置かれていた場所だけぽっかり穴が空いている。売り切れたのだ。

何て事だ、と心の中で呟いた。昨日通りかかった時は確かにあったのだ。しかも三冊も。ただ、昨日は少し急いでいたので買わずに通り過ぎた。どうやらその選択は間違っていたらしい。レジで会計を済ますくらい、五分もあれば事足りたのだから。

僕は今度は本当にため息をつくと、諦めてその場を後にした。店の近くに小さな本屋が一軒あるが、そこに売っているだろうか。僕はいつもより若干重たい足取りで本屋を出た。




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