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僕はほっとひとつため息をついた。僕のため息は授業中らしかぬ教室の喧騒に消えた。教壇で公式のおさらいをする教師の声が、隣の席の笑い声の向こうからかすかに聞こえた。

一際大きな声で笑った隣の席の冨永を、さすがに教師が注意した。冨永は上辺だけの謝罪を済まし、今さっき笑い合っていたクラスメートと苦笑いを交わした。

教室の後ろの方の席で携帯電話の着信音が鳴った。最近CMでよく聴く、僕には何てアーティストなのかもわからない曲だった。すかさず教師が近づき、その生徒から携帯電話を没収した。生徒はぶつくさと文句を唱え始めた。

昼休み前の授業は皆腹が減っていた。授業終了五分前というタイミングで、端の席の男子生徒がコンビニで購入した惣菜パンにかぶりつき、それを教師に取り上げられた。

授業終了のチャイムが鳴り、教師は教科書とチョーク、それに携帯電話と惣菜パンを抱えて教室を出て行った。後ろの方の席の女子生徒はまだ文句を言っていたが、端の席の男子生徒はすかさず教師を追いかけた。この学校のルールでは授業中の没収物は放課後まで教師が預っておく決まりだが、昼食なら返してもらえる可能性が大きかった。

クラスメートが机を寄せたり、他のクラスへ行ったり逆に他のクラスから来たりしている中、僕は朝コンビニで買ったサンドウィッチを広げた。僕の好きなタマゴサンドであった。




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