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「瀬川君も、お疲れ様」

まず店長に挨拶をした荒木さんは、次に僕の方を向いてそう言った。僕はそれに「お疲れ」と返す。

引き戸の向こうに荒木さんが消え、自転車のスタンドを外す音、走り出した自転車が去ってゆく音が聞こえた。それらの全てが完全に聞こえなくなってから、僕は口を開いた。

「そういえば、この間の田井中さんの依頼はどうなったんですか?」

テレビのチャンネルを回していた店長は、リモコンを置くと僕の質問に答えた。

「何かまた今度にするって」

「そうですか」

「来月か、じゃなかったら来年の二月頃になるらしい」

「ずいぶんアバウトですね」

僕と店長はその依頼について少しだけ話し合ってから各々の作業に戻った。壁の時計は九時十分を指していた。




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