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「どうしたの、それ」

引き戸を開けて出勤した荒木さんの腕の中の物を見て、僕はついそう尋ねた。

「華道の授業で作ったの」

荒木さんはそう答えて、大きめの花瓶に活けてある花を軽く持ち上げてみせた。

「いつもは学校で処分してるんだけどね、今日のは上手くできたから店に飾ろうと思って」

荒木さんは一旦カウンターの脇にかばんを置くと、カウンターの端に花瓶をそっと置いた。

「個人的には会心の作だったんだけど……やっぱりへたっぴかな?」

僕の反応が薄かったからか、荒木さんは少し眉を下げてそう言った。正直僕に花の善し悪しはわからないが、とても素敵だと答えておいた。事実、それは嘘ではなかった。




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