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目の前から歩いて来た人物を避けようと顔を上げると、それは知っている人物だった。白虎店の藍本さんはどうやら駅に向かっているらしく、僕の顔を認めて片手を上げた。

「よ、瀬川君。今から仕事か?」

「はい。藍本さんは店に行ってたんですか?」

「ああ、ちょっと荷物を届けにな」

道の真ん中で立ち止まる僕と藍本さん。駅の近くなので通行人はそこそこ多く、彼らは僕達を迷惑そうに避けて行った。

「ほら、特例の小銭だよ。昨日から鳩がノロウイルスで出勤停止でさ。代わりに俺が持って来たんだ」

「そうだったんですか。ありがとうございます」

「まぁモノも店長さんに渡してあるし、万事解決だろ」

「助かりました。ああいう仕事は僕らには向いてませんから」

「まぁな。瀬川君と荒木さんはどう見ても学生だし、あの店長は……何か目立つもんな」

藍本さんの言葉に僕は大きな頷きで同意した。彼は雑務があるからと言って駅の方へ向かって行った。僕も朱雀店を目指すべく歩き出した。




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