領域侵犯 12
「おかえりなさいませ、リアールカ様」
リアールカが事務室に戻るとシュヴァルが出迎えた。
「あぁ、ただいま。すまないがすぐに杖を用意してくれるか?」
「杖、ですか?」
シュヴァルは普段とは一等異なるその願いに一瞬戸惑った。
「なんだ、保管場所を忘れたのか?」
「あっ、いえ! 覚えてはいるのですが……魔術の使用許可が下りたのですか?」
「あぁ、一秒だけな」
リアールカの言葉にシュヴァルは微笑む。
「それはそれは、ずいぶんと発破をかけましたね。長すぎます」
「所詮、王も凡夫ということだ。まぁ、魔術にまで精通した賢王なんて今まで片手で数えられるほどしか知らん。逆に魔人をすべて消し去って、アエデスの呪いの一時解呪にはこのくらいがちょうどいい」
シュヴァルは「では、すぐにお持ちいたします」と言い、退室した。
「さて、現状を整理してみるか……」
リアールカは一度ソファに足を組んで座り顎に手を添え考える。
「アエデスは領域侵犯を止められなかった、これはアエデスが爆心地付近で何かしらの足止めを食らい、主犯の下までたどり着けなかったことを意味する。ダイアナに関しては報告がないのなら万事滞りないのだろう、そういう性分だしな。それなら現状最も優先すべきはアエデスの補助と並びにダイアナとの合流の補助か……。にしても、転移魔術も使えるはずなのにダイアナからあの少年が上院に送られてこないのはどういった用件だ…………まさかダイアナ、あの少年にカッコつけるために自分の側に置くつもりじゃないだろうな」
あれこれ考えてるうちに三回のノックとガチャリという音とともにシュヴァルが部屋に入ってくる。
「失礼いたします。……相変わらず、一人になると独り言が増えますね」
「……三千年来の癖でな……なんだ、文句でもあるのか?」
リアールカはシュヴァルを睨みつける。常人であればその一瞥のみでリアールカの持つ圧力に耐えきれず気を失うだろうがシュヴァルは微笑みを絶やさない。
「いいえ……ただ、こんな愉快なあなた様に永遠にお仕えすることが出来ないのがもどかしく、悲しく思っただけです。母も祖母も、このような気持ちだったのでしょうね」
シュヴァルは少し寂しそうな顔をした。
「前にも言ったことだが、お前が望むのであれば、我は永遠の命を授けることもできるのだぞ?」
リアールカの言葉にシュヴァルは首を左右に振る。
「何度も申しておりますが、それには及びません。人には人の領域というものがございます。神の領域に足を踏み入れたあなた様方、真理の裁定者様とは住む領域が異なるのです」
「それに……」とシュヴァルは言葉を続けようとしたが口を噤んだ。
「いえ、お話はここまでにいたしましょう。ご指示の通り杖の方お持ちいたしました」
「ありがとう」
リアールカは立ち上がりシュヴァルの手に携えられている杖を受け取る。
「久しいな、最後にこれを振るったのは一体何年前だろうか」
リアールカは杖をにぎにぎと触り感触を懐かしんでいた。
「では行ってくる」
そう言って部屋を出ようとするリアールカにシュヴァルは一報を入れる。
「リアールカ様、今宵は満月でございます。くれぐれも道中、目は開きませんようご注意くださいませ」
「わかっている」
キィーと甲高い音を立てて扉は閉ざされた。
《リアールカ視点》
我は誰もいない廊下を一人で歩いていた。瞳を閉じているが、介護は必要としない。
「全く、人の身を逸脱したというのに待っているのは不便ばかりだ」
廊下の窓からは月光が差し込み我を照らしていることだろう。杖の先端が地面に当たる音と、タンタンという自分の足音がテンポよく廊下に響き渡る。
しばらく歩いた後、目的の場所までたどり着く。そこは廊下と巨大な扉によって隔絶された大部屋である。
我は懐から小さな鍵を取り出し、扉の穴に差し込む。
一度差し込み三十度ほど反時計回りに回し、その後一度引く。引っ掛かりの部分でもう一度、反時計回りに三十度ほど回し、思いっきり奥に差し込む。そして最後に時計回りに一回転させ六十度回し、差し込んだときと同じ状態にして引き抜く。
ゴゴゴと大きな音を立てながらゆっくりと扉が開かれる。完全に扉が開き音が収まった後、我は真っすぐと部屋の中に入っていく。
「『月下の間』に来るのも久しいな。この目でどれほど手入れが行き届いているのか見ることができないのが悔しくてならんな」
我がいる建物は総じて上院と呼ばれている。上院には合計で十三の大広間がある。ある契約に従い、かつて我の身に宿った十三の力を個別に分けて封印してある。どれもこれも王国を含む世界の各国が私という存在を恐れ、私の身に宿る力のすべてを同時に行使することを恐れたためである。
今いる場所がその一つの月下の間。ここには昼夜問わず常に月光が振り注ぐ。それは単にこの大広間の天井が『夜空』であるからだ。屋根がないのではなく、屋根が夜空なのである。
広間の中央に入ったあたりでひとりでに扉が閉まった。
「さて、そろそろ目を開けてもいいだろう」
我が目を開けると真っ先に祭壇が目に入った。そして、その祭壇に腰掛け、祭壇の後方に飾られた絵を眺める人物も目に入った。
「やぁ、久々だね……エルフィ」
「あぁ、久しいな。第五領域第一章の写本よ」
「その呼び方は好きじゃないんだけどね」
写本は祭壇から飛び降りるとこちらに向き直る。グレーの髪に金色の瞳孔、真っ白い肌に長い睫毛。中性的な見た目をしたそいつはゆっくりと我の方に歩いてきた。
「僕を取り戻しに来たのかな?」
我よりも少しだけ低い身長故に少し上目遣いになりながらそんな事を聞いてきた。
「……いいや、ここには我の権能を使いに来ただけだ。お前を我の身に再び宿すにはそれこそバンシーを殺さねばならない」
「ありゃりゃ、知ってはいたけど後五百年くらいはここで拘束されるかなー」
「減らず口はその程度にしろ、我はお前を使いに来ただけだ」
「はいはい、分かってますよーだ。それで、今回はなにを御所望かな?」
写本はこちらに背を向け、もう一度祭壇に向かって歩き出す。それに我も続く。
「弟子の呪いを解呪しに来た」
「あぁ」
何度か経験があるからか、それだけでやりたいことが伝わったようだ。
「まぁ、どうせこれが終わったらまた呪いがかけられるんでしょ? かわいそうだよねぇ」
「我ほどではないさ」
我の自嘲を写本は鼻で笑い、「確かに」と苦笑した。
写本は祭壇の上に立ち、こちらを振り返ると「準備できたよ」とこちらに微笑む。
「お前は我の持つ写本のなかでもとりわけ手際が良くて助かる」
我はそう言って杖を天上の夜空に向かって構える。
『《解錠》』
写本のその言葉と同時に、星の輝きが一つ、また一つと消えていく。そしてついにはたった一つの月だけが残った。
我は王国との間での契約により、月光をこの瞳に映すことが禁じられている。しかし、仮に我がこの瞳に月光を映したとして、誰がそれを判断できるだろうか? 普段であればその役割はシュヴァルやバンシーが行なっているが、この空間、つまり十三の大広間においては例外である。この空間は我の体の内を外化したもの。つまるところ、我は自分の体のなかにいるのと同義。この空間に入った時点で無限に続く入れ子構造の中にいることになる。無限に存在し続ける我を一体どうやって検知するというのか。実際の目で判断するシュヴァルならともかく、我の預かりしれないところから監視し続けているバンシーに至ってはこうなってしまっては我の実体を認識することは不可能だ。
(少々抜け道だが……まぁ、これも世界の理だ)
そうして我は月を見つめながら言葉を紡ぐ。
『世界の門よ、真理の領域よ、わが呼び声に応えよ
偽りの星々は消え去り、月が夜を照らす
我が瞳に映るは満ちる月
天に座する大いなる鏡である
我の願いは世界を駆ける』
本来であればここまでで詠唱は完了する。だから、これより先は我のみぞ知る継承詠唱文、
『アルビスの言葉
ネラスの誓い
如何人もこれに逆らい、自由は犯せぬ
今ここに古典の思想を
《月下・権利章典》』
少し、悪知恵をここで紹介しよう。魔術の発動とは、詠唱から始まるのではない。詠唱とはいわば陣である。詠唱によって魔力回路を構成、そこに魔力を流して初めて発動する。そして魔術の行使時間とは魔力が発動し、因果改変し終わるまでにかかる時間のことである。
時間にして半秒。
それが我が魔術を使うのに要した時間である。
「はぁ、あとついでにしておくか」
私は深いため息と共に指を鳴らした。
「これでアエデス達も何とかなるだろう」
「ん? 今回はもう終わりなの?」
我が魔術の行使を終えたのを察したのか祭壇に立っていた写本がこちらに寄ってきた。
「あぁ、終わりだ」
我は写本に背を向け、入り口に向かって歩いていく。
「そっか」
少し寂しそうな、嬉しそうな声が聞こえた。
扉を開き一歩外に出る。
ゆっくりと扉が閉まる。
そして、扉が閉まりきる直前、写本がいつものことを口にした。
「いつか、僕をここから連れ出してね」
バタン、という大きな音とともに扉が完全に閉まりきる。我は鼻で笑い、来た道を目をつむりながら歩く。
「言われなくとも、ルインを殺すときには取り戻す」
無意識のうちに拳を握っていた。
「必ずな」
後はダイアナとアエデスに任せよう。これ以上は感情に浸りすぎてしまう。我はシュヴァルの待つ執務室まで歩みを進める。
舞台は王都に戻る。
「そう言えば挨拶がまだだったね」
リファーゼはレイに近寄り右手を差し出す。
「上院特殊対策部所属、第一隊隊長リファーゼだ。会うのは二度目だな」
「えっ、何処かでお会いしましたっけ?」
レイはリファーゼの右手に対して自分も右手を差し出し握手をする。
「あぁ、君のことはよく知ってるよ。レイ・アレストライ君。本当に私の忠告通り、死なないでくれてありがたいよ」
忠告、死なないように、レイ・アレストライ。この三単語からレイはとある人物を思い出した。
「リファーの、偽物の人ですか」
レイはリファーゼを睨みつける。
「偽物だなんて人聞きが悪いな。あの子は私の弟だ」
リファーゼは右手を解きレイと向き合う。
「まぁ、でも、気持ちの悪い男だよ。あいつは」
その言葉に一瞬身体が固まる。
「私の真似をしてるのか知らないが、幼い頃の私にそっくりなのも気に食わない」
「は?」
たとえ親族であったとしても、冗談で扱ってはならない領域というのは必ず存在すると考えるレイにとって、その言葉は憤りを感じさせるものだった。思わずレイが反論しようと口を開いた瞬間、アエデスが「えぇー!」と大声で叫び、全員の注意がそちらに向けられた。
「どうしたのよアエデス! うるさいわ!」
ダイアナは耳を塞ぎながらこれまた同じくらいの声量で言い返す。レイやリファーゼからすればどっちもどっちだと言いたくなるほどだ。
「か、加護が……戻った」
「…………………………………………よし」
ダイアナはキリッとした顔で、まるですべてお見通しかのような顔をする。しかし、この空白、時間にしておよそ三秒。この間になされたダイアナの思考は以下である。
(加護が戻った? なんで? 呪いは? えっ、お師匠様が? いやいや、そんなわけ。第一あの人は魔術の使用を禁止……いや、十六魔術単位までか……それなら呪い自体は解ける? いや、だとしても、って言うよりさっきからいやいや言いまくってるわね私。ってそんなことはどうでもいいのよ。加護が使える? それなら……待ちなさい私、そもそもとしてアエデスの加護は不確定要素が、っていうよりもそもそも。あっ、つぎはそもそもばっかり言ってるわね……ってそうでもなくて! あぁー! もう! 思考がまとまらない! と、トニカクあの子の前でだけはカッコいい姿を見せないと!)
以上をもって三秒である。
「加護が宿ったのでしたら、突撃に向かいますか?」
リファーゼがアエデスに尋ねる。
「いいえ、ここは『冥府の加護』を使う。ここにいる魂なき生命に安らかな死を与えましょう」
アエデスは「それでいいな」とダイアナに尋ねる。それにダイアナも首を縦に振る。
アエデスは一度深呼吸をし、右手を爆心地方面に向ける。手のひらの向く先には空中に浮かぶ二人の人影。
「出でよ、死の杖」
アエデスの手のひらを中心として黒い靄が円形に広がる。その靄は次第に形を変え細長く変形し、杖の形になる。しかし、靄であることには変わりなく、依然輪郭ははっきりしない。ゆらゆらと揺れる煙のような実体を持つそれをアエデスは掴む。
「相変わらず、気持ち悪い見た目よね」
ダイアナが杖に向かってそんなことをいう。
「まぁ、試作品を譲り受けただけだからな……あの事件さえなければきっともっといいものが出来上がっていたはずだ」
「だとしてもディゴスシリーズには到底及ばないでしょうけどね」
ダイアナの小言を無視し、アエデスは空中に浮く二人に焦点を当てる。
「私が冥府の加護を使ったら必然的にこの結界は砕かれる。あとはダイアナ、わかっているな?」
「もちろん、私を馬鹿にしないで頂戴」
ダイアナのその宣言に対してアエデスは強く頷く。
一度深呼吸を挟む。いくら自身の能力であったとしても何十年も行使していないとなればそれ相応の不安も生まれる。それをなだめるように呼吸を整える。
「死生有命、万事私が取り仕切る。消えなさい」
杖を横なぎに振る。命を奪う死の一振りである。
それと同時に結界が砕かれ、リファーゼとダイアナは敵陣に切り込む。
「これで私も簒奪者に近づいたか……」
結界があった中心でアエデスは一人呟いた。
レイはダイアナの腕に抱かれながら空をとんでいた。それから地上を見てレイは今までと明らかに違うことに気づいた。
「魔人の動きが止まってる」
「アエデスの冥府の加護は一時的に生命活動をとめることができるの。でも、それは命の神の目が閉じてる間だけ」
「短期決戦に持ち込むわよ」とダイアナが言うと速度がさらに増す。確かに現状だけ見れば、これから真っすぐに主犯に向かい、捕縛する、あるいは処刑する。これだけであるが、レイはかすかな違和感を覚えた。
(確かにコイツラは動きを止めている。でも、魔子の存在を感じることができる)
そう、レイは知っている。ここにいる魔人とは異なる性質を持つ魔人の存在を。
「ダイアナさん! 前方から飛来物です! あれは……魔人です!」
リファーゼからの報告にレイは顔を上げる。そこには背中に羽を生やし、さながら悪魔のような見た目で飛来する黒いヘドロのような、かろうじて形を保つように輪郭が崩れては組み立てられる魔人の姿があった。
「はぁ? なんで冥府の加護下で動けんのよ!」
ダイアナは飛来するそいつらを純白の魔子の弾丸によって撃ち落とす。
「ったく、変なのが現れたわね」
ダイアナが撃ち落としたあとも依然として地上の魔人の群れからぞろぞろと羽をはやした魔人が現れる。
「僕、あいつらに心当たりがあります!」
レイは大声で伝える。
「僕の故郷で対面した魔人からは魔子の気配を感じられませんでした! たぶん同種です!」
ダイアナは小さく舌打ちをする。
「強行突破! 光翼で道を作りなさい! 早く大元を処刑するわ!」
既に魔人の群れは壁のようにレイの目の前に立ち塞がっている。その壁に向かってレイたちは一層加速して突入する。
『《光翼展開!》』
リファーゼの言葉と同時に十六対の合計三十二枚の光り輝く翼が現れる。そのうち八対が纏り一つの光の球体となる。
『コードライデン! シェイプスピア!』
光の球は一層輝きを増し、鋭く蛇行する槍の形を模しながら魔人の壁に向かって素早く迸る。光が魔人と接触する瞬間、バチバチと弾けるような音と同時に接触した箇所がドロドロに溶け貫通する。光の通り道には人が四、五人通ることのできるほどの穴が出来上がる。未だ魔人の溶けた部位がドロドロと垂れている中、できたばかりの穴をダイアナとレイ、そしてリファーゼは素早く通り抜ける。
「抜けた!」
魔人の壁を完璧に抜けきった。目の前には主犯である二人がいた。
ネイランの頭には《月桂冠》が被されており、それを左手で抱くリューリアスバラハ。右手には《黒波》が握られている。二人とも目を閉じており、意識がないように見える。
ダイアナは二人をまとめて殺すため《白夜の天涙》を無詠唱で発動するが、二人にあたる寸前で掻き消される。
しかし、その程度でダイアナの攻撃が止むことはない。《白夜の天涙》と並行してダイアナは他二十の攻撃魔術を展開する。黒い炎の球体を飛ばし、地面から炎柱を立ち上らせ、岩石を浴びせ、氷柱を投げ飛ばす。
しかし、その全てが掻き消される。それを見てレイは戦慄した。それはダイアナの圧倒的な攻撃能力に対してではなかった。人の領域を超えたはずの真理の裁定者の攻撃を人間の身で耐えることを可能にする過去の神匠の技術に対してであった。
「攻撃が掻き消されるならどうすれば……」
レイは呟いた。それに答えたのか、それとも独り言なのかは定かではないがダイアナもまた呟く。
「《月桂冠》は権能の一つとしていかなる魔術も魔法も無効化する事ができる。でも、それは一日につき二十まで、そして私が浴びせた魔術は今ので合計二十。つまり次の攻撃魔術は無効化できない」
ダイアナは星々の輝く夜空に向かって手を伸ばす。
「さようなら」
その言葉と同時にダイアナは静かに腕を振り下ろす。
《天ノ撃滅》
夜空を緑と桃色のオーロラが覆い尽くした。それは美しい幻想などではなく、絶対的な終焉の輝き。目に見え魔の風が吹き荒れた瞬間、ネイランとリューリアスバラハの肉体は悲鳴をあげる暇もなくグツグツと煮えたぎり、次の瞬間には塵となって弾け飛んでいた。
レイの肌が、本能的な恐怖で粟立つ。人の領域を超えた真理の裁定者――その本質は、歩く「大天災」そのものだった。
レイは思った、あっけないと。
しかし、その結末とは裏腹に被害は甚大であった。死傷者数は後に確認できた分だけでも計五百万人にのぼった。王都の総人口が千七百万人であることを考えれば歴史的にみても数少ない大人災と言うことができるだろう。中央区の半分、西区の半分、が壊滅した。これによる避難民は合計で二百万人、避難民より死傷者のほうが多い結果となった。
しかして、これほどの犠牲を出しつつも暗黒期と同じ状況下で解決まで一日で済み、死傷者数を当時の三十分の一にできたことは快挙であった。
こうしてリーヤシュヴァレン魔術学院の魔術大会最終日は多大な犠牲とともに幕を下ろした。
《??????》
魔術大会最終日から随分と時間が経った。復興も進み、王都は次第に活気を取り戻しつつある。そんな中、リーヤシュヴァレン魔術学院の教壇にはダイアナが立っていた。
彼女は悪戯っぽく、しかし悲しげにこう口にした。
「教科書には載っていない神話の時代……私の昔話をしましょう」
第三章「魔術大会編」完
次回新編開幕




