11
「完璧な雑談なんだけど」とゼロダは言った。「私、令和のごく初め頃に、所謂大衆小説を結構読んでたから、書評を行いたいと思う。結構前のことなので、忘れてる、というのもあるだろうけど、純化されてる、ということもあるやもしれん。それと、純文学も読んでた。それも入れて話そうと思う。印象に残っているのは、順に、1.白夜行。なんか、〇〇〇という言葉が出てきたときにかなり笑った。〇〇〇自体はどうってことなくて、その全体を貫く価値観と話の流れとの相互作用。2.理由、3.火車は推理小説なのかな、って印象。4.その他東野作品、5.池井戸作品、6.藤沢作品。世代が近いので7.朝井作品。4.5.6.は短編が寧ろ面白かったかも。純文学で印象に残っているのは、1.吾輩ハ猫デアル。烏の動きの描写が凄かった。烏もニヤニヤしていた。2.審判。神父の件が印象深かった。他の場面や話の流れを踏まえて、そうだった。3.城。テーマ性と長大さ(未完であること含め)が凄かった。4.万延元年のフットボール。何かよく分からんかったが、本気で誰かと戦ってるようだった。5.暗夜行路。比較的、落ち着いた作品だった。6.コンビニ人間。普通に商業的っぽかった」
「東野作品は、2000年代の月9を彷彿とさせるよね」
「せやね。2010年代がどうか。今がどうか、というのは分からヘんけど。あの頃のドラマは、妙な落ち着きとパターン化が完成し切る手前の個性ある作品創造への情熱、みたいなものは感じられた。役者が常に完璧な美形というわけではなかったというのもあるかもしれん」




