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【二度目の政治は、恋に厳しい】〜宰相令嬢リディアの奮闘録〜  作者: 春野 清花
第七章 才覚証明編

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第百六十三話:次の手


 薄暗い室内。


 床に、影が落ちる。


 拘束された男が、一人。


 偽使者だった。


「……話せ」


 低い声が、落ちる。


 グランディル。


 その前に、男は跪かされていた。


「……」


 沈黙。


 口を閉ざす。


「……」


 ユリウスが、一歩前に出る。


 視線は、冷たい。


「貴殿が口を割らなくとも」


 一拍。


「いずれ分かることです」


 静かに、告げる。


「……っ」


 男の肩が、わずかに揺れる。


「だが」


 続ける。


「その時、貴殿の価値は失われる」


 逃げ道を、潰す。


「……」


 沈黙が、揺らぐ。


「……誰の指示だ」


 今度は、アラン。


 王太子としての声だった。


「……」


 男は、歯を食いしばる。


 だが。


 耐えきれない。


「……アルトゥール、様だ」


 絞り出すように。


 落ちる。


 その名が。


 場に。


「……やはりか」


 グランディルが、静かに呟く。


 驚きはない。


 確信が、裏付けられただけだ。


「……目的は何だ」


「……保護、だと」


 男は、震える声で続ける。


「だが……」


 一拍。


「“同じ過ちを繰り返させるな”と……」


 空気が、重くなる。


「……」


 リディアは、目を伏せる。


 理解していた。


 その意味を。


「……つまり」


 ユリウスが、低く言う。


「父上を」


 一拍。


「消すつもりだった、ということですね」


 静かに。


 だが、はっきりと。


 男は、答えない。


 だが。


 沈黙が、肯定だった。


「……」


 その時だった。


 グランディルが、ゆっくりと顔を上げる。


「……遅いな」


 ぽつりと、言う。


「……?」


 アランが、眉を寄せる。


「この程度で終わる男ではない」


 一拍。


「もう、次を打っている」


 断言だった。


 その瞬間。


 遠くで、鐘の音が鳴る。


 重く。


 不穏に。


 城内に、響き渡る。

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