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【二度目の政治は、恋に厳しい】〜宰相令嬢リディアの奮闘録〜  作者: 春野 清花
第七章 才覚証明編

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第百四十五話:課される資格



 ざわめきが、収まらない。


 王の言葉が、まだ場に残っている。


「……だが」


 国王グランディルが、続ける。


 一瞬で、空気が締まる。


「それを認めるには、条件が必要だ」


 当然の流れだった。


 誰も、否定できない。


「……条件」


 アランが、低く繰り返す。


「ああ」


 国王は頷く。


「王妃であり、かつ宰相となる」


「その前例はない」


 一拍。


「ならば」


 視線が、リディアに向く。


「作るしかない」


 逃げ場のない、宣言。


「その資格を証明せよ」


 重く、落ちる。


「……どのように」


 アランが問う。


 すでに、覚悟は決まっている声音。


「簡単だ」


 グランディルは、淡々と答える。


「法、統治、外交」


「すべてにおいて、王国の上位に立て」


 場が、凍る。


「……」


 リディアの呼吸が、止まる。


 それは。


 試験というより。


 選別だった。


「具体的には」


 続ける。


「公開の場で、法官および貴族を相手に議論を行う」


「同時に、政務の一部を任せる」


 一拍。


「結果で判断する」


 それだけだった。


 シンプルで。


 逃げ道のない条件。


「……」


 沈黙。


 誰も、軽く受け取れない。


 だが。


 その中で。


「……受けます」


 はっきりと。


 リディアの声が、落ちる。


 迷いなく。


 震えもなく。


「……リディア」


 アランが、息を呑む。


 だが。


 止めない。


 止められない。


「……私は」


 一歩、前に出る。


「そのために、ここにいます」


 視線を、上げる。


 王を、真っ直ぐに見る。


「逃げるつもりは、ありません」


 静かに。


 だが、強く。


 言い切る。


「……そうか」


 グランディルは、わずかに頷く。


 その目が、わずかに細まる。


 試す者の目。


 だが。


 どこか。


 認める色も、含んでいた。


「では」


 一拍。


「三日後だ」


 短く、告げる。


「準備しろ」


 それで終わりだった。


 だが。


 それが、すべてだった。


 場の空気が、再び動く。


 だが、今度は違う。


 ただの恋ではない。


 ただの政治でもない。


 それを、証明するための。


 舞台が、整えられた。

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