179.魔王討伐が終わり……
もうすぐ本編完結出来そう。
(俯瞰視点)
ードシィィィィィィィン!
"漆黒の龍"の骸は地に落ちた。
長年に渡りズンダルク王国を苦しめて来た"魔王"という災厄……その歴代最後の個体となるドラグが、遂に死んだ瞬間だった……
「……見たところ、アレはもう事切れていると判断して間違いありませんね……皆さん、遂に我々は魔王軍を討ち滅ぼしました!……ここに、我々の勝利を宣言します!」
「「「「「「「「「「「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」」」」」」」」」」」
ミリセリアの勝利宣言により、歓喜の声を上げる人類側の軍勢。
……こうして、ズンダルク王国の連合軍は魔王軍との戦いに勝利を収めたのだった……
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(浅山 藤四郎視点)
「うおぉ……あ、ドラグが死んでる……のか?」
「……どうも、皆はやり遂げたみたいっしょ!」
魔王城を出た俺達が見たのは、ドラグの骸?に集まるズンダルク王国の兵士達だった。
なお、未だに正義は俺がおぶっている。
と、その直後だった。
ーピキピキピキ……サラサラサラ……
「っ!?……ま、魔王城が消え始めた!?」
「あ、やっぱりドラグは死んだみたいっしょ……」
ドラグが作った魔王城もまた、ドラグの死と共に消える運命だったらしい。
……これ、出るのが間に合って良かったとしか言えねぇよな……
さて、それはそうと……
「ご主人様~!」
ーブブブブブ……
「トウシロウ、無事そうで良かったですわ!」
カブの角に乗ったナフリーと、魔法で宙に浮いているメアリーが飛んで来た。
「ご主人様、何とかやり遂げましたニャン!」
「ほんと、上手く行って良かったですわ!」
「……そう、だな……」
俺には何がどうなってドラグが死んだのか分からねぇが、まあ倒せたのは事実なんだろう。
……どうしよう、凄く居心地が悪い。
「ま、早く向こうに行くっしょ。……話はそっから聞けば良いし?」
「そうだな……うん、そうするか……」
こうして、俺達はドラグの骸へ集まっている皆のもとへと歩いた。
……俺達の仕事はこれで終わりだし、最後にパ~っと決めりゃそれで良いか?
なんて、呑気な事を考えながら……
そして時間は過ぎ、翌日の正午……
「……という訳で、魔王討伐に多大な貢献をしてくださった勇者の皆様を称えるパレード及び祝賀会を開催いたします!」
「「「「「「「「「「「「「「「「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」」」」」」」」」」」」」」」」
俺達は今、王都で民衆から称えられていた。
……どうしてこうなった?
いや、分かってる。
魔王討伐なんて偉業を成し遂げた英雄を祭り上げたいとかそんなんだろ?
んで、丁度ラビィネルっていう転移使いが居たから王都へ直通で帰って来た訳だが……
昨日の今日でマジか……としか言えねぇ。
「こほん!……儂等の国を救ってくれた勇者の皆様には、返し切れぬご恩があります!……どうか、心行くまでお楽しみください!」
おい王様、口では良い事を言ってる風だが目が笑ってねぇぞ?
別にそれを咎めたりしねぇが、政治的な話は俺じゃなくて茜や正義にしてくれよな?
「……あはは……お兄ちゃん、こうなるのは最初から分かり切ってた事だよ?」
「……何も出来ていない僕が称えられるのも変な感じですね……」
「今のボク、最高に輝いていて美しいだろう?」
「当然っしょ!……それはそうと、今後の立ち回りは考えといた方が良さそうっしょ……」
茜、兼人、司、正義もどこか緊張してそうな……いや、司は割とそうでもなさそうだな。
ん?
何か、王様が顔を近付けて来たぞ?
ーヒソヒソ
「さて、それはそうとトウシロウ様……メアリーの事を宜しく頼みます。……帰って来てすぐに王族を抜けると言い出して、更に貴方と結婚するとまで……」
「すぅ~……む、娘さんは必ず幸せにします……だから政治的なゴタゴタには巻き込まないでくださいお願いしますこの通り!」
「と、トウシロウ様!?」
俺の心からの叫び (※ヒソヒソ声)を聞き、 王様は驚きの声を上げた。
だって、政治的なゴタゴタとか嫌だし!
そもそも政治的に動ける人材じゃねぇし!
「娘さんについて責任は取りますが、俺は政治的に動ける人間じゃないんです!……だから、そこだけは勘弁してくださ……」
「お、落ち着いてください!……貴方達に何かを無理強いさせたりはしません!……勇者はあくまでも魔王軍への対抗処置であって、他国やら内政に担ぎ出せる存在でないのは深く承知しております故……」
「というか、頼みますから敬語も勘弁してください!……陛下からの敬語とか、俺の胃が痛くなりますので!」
「……召喚されてすぐに儂等へ大層な言葉を吐いたとは思えない代わり様だな……」
そ、それはその……
「あの時は困惑やら自暴自棄やらが入り混じってたんです!」
「は、ハァ……」
「今思えば、不敬罪適用されてても文句は言えませんでしたし……」
「勇者様のご親族に対してそんな事はせんぞ!?」
信じられるかよ!
とまあ、ゴタゴタはありつつもだ。
この後、俺はパレードと祝賀会を緊張しっぱなしで体験する事になった。
……その大半が記憶に残っていないが、まあそういうもんだと納得しよう。
そして、全てが終わった後……
「……………………………はっ!」
「あ、お兄ちゃん戻って来た?……ずっと心ここにあらずだったよ?」
「えっと、今は?」
「夜だね。……まだ騒ぎたい人や酒を飲みたい人はどんちゃん騒ぎしてるけど……公的な祝賀会は終わったよ?」
「そ、そうか……」
夜になって、ようやく俺の精神は戻って来た。
……うん、もう2度と勇者召喚はごめんだ……
「……というか、ずっと心ここにあらずだったなら藤四郎さんは覚えてないって事ですか?……僕達が正式に勇者として歴史に刻まれた事を……」
「ん?……どういう事だ?」
「例えば、僕は"書物の勇者"という身の丈に合わない称号を賜りましたね……まあ、僕の手柄はほぼ光枝さんのお陰ですが……」
「ボクは"美麗の勇者"という称号を賜ったよ……」
「俺チャンは"洗脳の勇者"っていう悪役っぽい称号を賜ったっしょ……」
「で、私は何故か"愛欲の勇者"だってさ!……いやいやいや、愛欲って何なの!?」
へぇ~、そうなったのか……
どいつもこいつも、まあ見事に一癖も二癖もある2つ名だな……
「書物に美麗に洗脳に愛欲……お前達らしいな?」
「お兄ちゃんまで!?」
「それであの……藤四郎さんは"強化の勇者"って称号を賜ったんですが……」
「ふ~ん、俺が"強化の勇者"……って、何だって?」
あれ、おかしいな……
今、巻き込まれて召喚されただけの俺まで勇者の称号を賜ったかの様に聞こえたんだが……
「だ~か~ら~、お兄ちゃんも勇者として認められちゃったの!……より正確に言うと、魔王討伐に貢献した異世界人を勇者だって認めないのは国として体裁が悪いから認められたって言うべきかな~?」
「…………マジかよぉぉぉぉぉぉ!」
そんな馬鹿な話があるか!
これ絶対俺の名声だけが1人歩きして面倒な事になるやつじゃん!
名前も覚えられなかった異世界人として静かにこの世界の歴史から去りたかったんだが!?
「お陰で世間じゃ"救国の5勇者"だの何だの話題になってるよ?」
「……その5人目って本当に俺なのか?……光枝さんじゃなくて?」
「光枝さんは僕の能力扱いらしいです。……多分、光枝さん本人は気にしないでしょうが……」
「ふぅ~……俺、元の世界に戻ったら2度とこっちの世界に戻って来ねぇ……いやでも、恋人の皆が俺達の世界で住めるとは思えねぇし……あぁぁぁぁぁぁぁもうどうすりゃ良いんだよぉぉぉぉぉぉぉ!」
そうして、平和になったズンダルク王国の王城に俺の叫び声が響き渡った。
……んで、他の勇者の面々は何故か俺を微笑ましそうに見ている。
マジでどうしてこうなった……(orz)
ご読了ありがとうございます。
さて、本編完結まで残り3話程度。
気が向いたらいいね、ブックマーク登録してくれるとありがたいですが、あくまでも気が向いたらで大丈夫です。
後、皆様がどんな事を思ってこの小説を読んでいるのか気になるので、感想くださるとありがたいです。




