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177.魔王城決戦 上空

このまま本編完結まで行きたい……

(俯瞰(ふかん)視点)


「なっ……あれは何ですの!?」


「ほぁ~……もう訳が分からないですぞ……」


魔王城を突き破って現れた"それ"を見た者の反応は、そんなものが大多数であった。


蛇の様に長く手足の生えた体、頭に生える鹿の様な角、全身を覆う漆黒の鱗と体毛……


ズンダルク王国においては前例のない存在だった。


……が、その存在を知る者も居た。


「あ、あれは東洋の龍でござるか!?」


「う~ん、何かミツエはんから聞いた龍っちゅうのに似とるな~?……確か、この世界でも東洋の方には()ったっけか?……となると、アレはもしかせんでもドラグかいな!?」


穂魂やエルリスはそれが"龍"だと知っていた。


"(ドラゴン)"ではなく、"龍"……


ドラグの異名にある"龍"を"(ドラゴン)"だと認識していた者が大多数の中、エルリスはその正体にいち早く勘づいた。


そして……


「エルリス、アレが何か知ってるんですの!?」


「あ、丁度エエわ……メアリーはん、シトラスはん、それからナフリーはんも……少しだけウチを手伝ってくれへん?」


「「「???」」」


エルリスは考える。


勇者を信じつつも、ドラグを逃がさない方法を……



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

(ドラグ視点)


「グヌ゛ァァァァァァァァァァァァァァ!」


余が……敗北?


いや、敗北だけなら良い!


だが、全力を出せずに敗北だと?


そんなもの……受け入れられるかぁぁぁぁぁ!


『おいおい、そりゃ高望みってやつだろ?……少なくとも、お前の罪と照らし合わせりゃこの結末がお似合いだろうに……』


黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!


敗北するにしても、余は全力を出した上で敗北したいのだ!


全力を出せぬまま殺される結末なんぞ、余は絶対に認めん!


『……黙るのはお前の方だ。……俺が仕えた国を配下使って滅茶苦茶にしておきながら、まだそんな事を言ってんのか?……全力で正々堂々戦いたかったんなら、過程を間違えたとしか言えねぇな!』


死者は潔く黙っていろ!


『だったらお前も潔く敗北を受け入れろ!』


ぐぬぬぬぬぬ……


……生きねば……


生きて状況を立て直し、全力で奴等と死合うのだ……


だから……だから……


「ヅイ゛デグル゛ナ゛ァァァァァァァァァァ!」


「嫌だよ!」


「必ずボク達で仕留めるよ!」


「……司さん、お姫様抱っこしてくれるのはありがたいんでありんすが……ちょっと鎌がぶつかりそうなのが申し訳ないでありんす……」


アカネとツカサが背中から翼を生やし、ミツエがツカサに抱き抱えられ……


……余を殺すために追って来た。


「ヤ゛メ゛ロ゛ォォォォォォォォォォォ!」


ーうねうねうね……うねうねうね……


「うおっ!?……やっぱ人型じゃないのキツッ!」


「蛇の様にうねって縦横無尽……"龍"の舞いとしては美しいけど、これをボク達が相手するとなると話は違うかな……」


「ふぅ……司さん、ドラグに乗るのでこの辺りまでで良いでありんす……」


「……え?」


……む?


今、ミツエが聞き捨てならない事を言った気が……


ーフッ……スタッ!


「ふぅ……着地成功でありんす!」


「ウ゛ナ゛ァァァァァァァァァァ!?」


こ奴、余の背に乗っただと!?


いや、狼狽えずにさっさと振り落と……


「【冥刃十字斬・十連】でありんす!」


ーザシュ!ザシュ!ザシュ!ザシュ!……


「グオ゛ォォォォォォォォォ!?」


何故だ……


何故、ここまで痛い……


何故、ここまで一方的に……


余は"悪"として何を間違えた?


なかなか本気を出さなかったせいか?


人間共の罠にかかったせいか?


配下共を早々に王都へ投入しなかったせいか?


教えろ……教えろ……


「オ゛ジエ゛ロ゛ォォォォォォォォォ!」


ーボゴォォォォォォォォォォ!


否、ここは冷静になれ……


それに余が今吐いたブレスを食らいさえすれば、奴等とて無事では済まぬ筈……


そう、思っていたのだが……


「嫌だね!」


ーブンブンブンッ!


余が吐いたブレスを、アカネは槍を振り回して凌ぎ切りよった……


……ぐぬぅ……


やはりアカネは潰せぬか……


……が、無傷とも行かぬ。


「……ハァ……ハァ……司ちゃんに……光枝さん……後はお願い……私もう無理……」


ーヒュ~……


ふむ、アカネは脱落か……


これで敵が1人消えた。


「茜君……うん、君はずっとドラグの攻撃を受けていたし、休む権利はあるさ……」


「後は任せるでありんす!……【冥刃十字斬・十連】でありんす!」


ーザシュ!ザシュ!ザシュ!


「グググ……グワ゛ァァァァァ!」


くっ……


痛い……


これも忌々しい死者共のせいだ!


……だが、まだ耐えられる。


このまま勇者共を削り切ってやろうぞ!


「すぅ……【断罪の流星】!」


ーヒュンヒュンヒュン!……ドゴォォォォォン!


「マ゛ダダァァァァァァァァァァ!」


ーうねうねうね……うねうねうね……


「うぅ……足場が不安定で落ちそうでありんす~!」


「【断罪の流星】!」


ーヒュンヒュンヒュン!……ドゴォォォォォン!


余に当てられ続ける攻撃……


全力さえ出せればこの程度……


この死者共の楔さえ何とかなれば……


「グヌ゛ォォォォォォォォォ!」


余は負けぬ、余は死なぬ、余は……


余はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

(浅山 茜視点)


私は落ちる。


上空に見えるのは、暴れる漆黒の龍とそれを抑える司ちゃんに光枝さん……


……あ~あ、全身が痛いや……


無理し過ぎたかな~?


「あはははは……流石にブレスはマズかったかな……いや、そもそも魔王城の時点で大概だった……」


特に【雨霰】。


【全能の長槍】で防ぎ切れなかったし、【落雷】の感電もなぁ~。


……何とか地面ギリギリでまた飛べそ~だし、ここは1つ休憩を……


ーガバッ!


「……アカネ、大丈夫ガルか?」


「ん?」


あれ?


誰かにキャッチされた?


いや、この声……


「ハァ……こんな傷だらけになるまで戦ったんガルか?」


「シトラス……ちゃん!?」


ーブブブブブ……


何でシトラスちゃん!?


ってか、ここまだ空……


……あ、カブの角に乗ってるの、これ……


「カブはん、無理させてごめんやで?……ちょっとアカネはん落ちて来るんが見えて、シトラスはんが飛び出してしもた……」


「あ~、なるほど……で、他に連れて来たのは?」


「メアリーはんにナフリーはんだけや。……流石に上空で戦えそうな人ってなるとな?」


「そっか……」


流石に魔王城から逃がしちゃったのが響いたみたいだね……


エルリスさん達も手伝いに来ちゃった。


「……アカネ、本当にボロボロだガルな……」


「シトラスちゃんこそ、火傷だらけじゃん。……私が不甲斐ないばっかりに……」


「アカネのせいじゃないガル。……ちょっと片腕が骨近くまで斬られてるガルが、【覇王】使えば動かせるガルし……」


「……ほんとごめん……」


こうしてる今も、少しずつ上空へと向かってる。


どんどん暴れ狂う漆黒の龍が見えて来てるし。


「……アカネ、最後の戦いガルな……」


「うん、私はもう無理だけど……この戦いももうひと頑張りだね……」


ああ、もうすぐ終わるんだ……


ドラグさえ倒せれば、この戦いは……


「……エルリス、アカネを頼むガル……」


「うん、分かっとったよ……【次元収納】や!」


そうして私はエルリスさんに収納される。


……皆、後は頼んだよ!

ご読了ありがとうございます。


ドラグとの決着も後僅か……


気が向いたらいいね、ブックマーク登録してくれるとありがたいですが、あくまでも気が向いたらで大丈夫です。


後、皆様がどんな事を思ってこの小説を読んでいるのか気になるので、感想くださるとありがたいです。

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