第18話:ヴァンの役目(1)
「大地を操る能力か・・・厄介な奴がいたものだな」
走りながらそう言うヴァン。
「ヴァンさん?」
いつもとは様子の違うヴァンを不思議に思うミナモ。
「お前達・・・しっかり逃げろよ」
突然そう言ったヴァン。
そして、その場に立ち止まった。
「ヴァンさん、立ち止まったら・・・」
そしてそれを察知したかのように、大地の壁は高くそびえ立ちヴァン達の逃げ場を失わせていた。
「閉じこめられちゃいましたよ」
そう言うモエ。
「心配するな・・・今度は俺が道を切り開く。って、お前達を先に行かせようとするのは二回目だったな」
そう告げるヴァン。
「私達を先に行かせるって・・・」
ミナモがそう言うと
「お前達と拓也にはやらなきゃいけない事があるんだろ。お前達が無事なら拓也と必ず合流出来る・・・だから今は・・・」
と、ヴァンは大地の壁に手を触れさせた。
すると触れた所から鉄へと変わっていく大地。
「!?」
そして、大地を操っていたアースもそんな大地の変化に気付いた。
「まさか大地が別の物質に変換・・・」
そしてヴァンはというと、地面の大地にも手を触れ地面も鉄に変えていった。
「流石に大地の容量がでかいからな・・・どんどん能力のエネルギーが使われていくな・・・」
「ヴァンさん・・・これは」
尋ねるミナモ。
「大地を鉄に変える。そうすれば大地の能力者は鉄と化した部分は操れなくなる」
「でも・・・」
心配そうにヴァンを見るモエ。
「お前達が通れる場所だけを囲むように全て鉄に変えれば、大地の壁を壊しても再生できない・・・だからその隙にお前達は行け」
そう言うヴァン。
「でもヴァンさんは・・・」
「拓也は信じて俺は信じちゃくれないのか?俺だってやる時はやるぜ」
真剣なヴァンの表情をこちらも真剣な表情で見ていたミナモ。
「わかりました・・・絶対に後で会いましょう。ヴァンさんも私達の仲間なんですから」
そう言い微笑みを見せるミナモ。
「俺の考えじゃ大地の鉄化を止めるために直接ここにやってくるだろうからな・・・だから早く行け・・・最初の通路は問題ないぜ」
そう言うヴァン。
「行きましょうモエさん。私達の仲間はきっと追いついてきてくれます」
と、光の弓矢を出現させその一撃で鉄によって外側の大地と離された大地の壁に穴をあけていくミナモ。
そしてその後に続いていくモエ。
「絶対に無事で・・・」
そう小声で呟いたミナモ。
「・・・今回ばかりは無理かもな」
ミナモ達がこの場を離れてからそう呟いたヴァン。
そして、アースはというとヴァンの考え通りに行動を起こしていた。
「ここを離れるとこの階層全体の操作は出来ないが、まずは障害の排除からだ」
と、アースは大地に触れ大地を蛇のように変化させそれに乗り移動していった。
そして更に、この階層にやってきた謎の人物はアースが移動していったのを見送ると動き始めるのであった。




