第17話:第三階層・大地の迷宮(2)
限界の近い身体で第三階層へとたどり着いた拓也。
「何だこの階層・・・周り全て土だな・・・って、観察している場合じゃないな」
辺りを警戒しながら、どこか安全な場所を探す拓也。
「とりあえずこの壁の裏に・・・」
壁の裏に回り込み、そのまま座り込む拓也。
「これじゃミナモ達と合流なんてすぐには無理だな・・・さすがにノヴァ戦のあのやり方は無茶すぎたか」
後悔しつつも、それがどうしようもないことは拓也もわかっていた。
「ほとんど能力が使えなくなって・・・本当に俺はまだまだだよな・・・俺はただ剣術を能力でアップさせてるだけみたいなものだしな・・・」
と、拓也は自分が今まで出会った能力者を思い出していた。
「炎の能力者モエとノヴァ・・・鉄のヴァン・・・そして、水のリュート。リュートと一緒にいた雷のレイド。あと、ディオって奴も能力者だったな・・・それと第二階層を守っていたシルヴァ。モエとヴァン以外は全員ここの組織の能力者だったよな・・・俺はミナモやモエを守っていかなきゃいけないし、ミナモが目的を達するためにがんばらなくちゃいけない」
そう言いながら天井を見上げる拓也。
「でも俺は組織の能力者にほとんど勝てていない。シルヴァはヴァンと協力して勝った・・・ノヴァは一人で戦って勝てたけどこんな状態じゃこの先絶対に生き残れない・・・この先のために俺が得なくちゃいけないこと・・・」
と、限界ながらも手のひらに力を込める拓也。
「斬撃のようにはっきりと目に見える風すら今は作り出せない・・・どうせじっとして休むしかないなら・・・ここで少しでもわずかなこの残りの能力で得られるものを得てやるんだ」
そんな強い意思を瞳に宿し、残りの風の力を周囲に発動させていく拓也。
そして、同じ頃ミナモ達はと言うと・・・。
「さっきからおかしいな・・・ちっとも出口の方にたどり着かないぜ」
そう告げるヴァン。
「甘くみてたのかもしれませんね・・・私も少しはその可能性を考えていましたけど・・・」
ミナモがそう言うと
「何か知っているんですか?」
そう聞いてきたモエ。
「この階層にいる能力者・・・大地を操る能力者・・・」
「ちょっと待てよ。それじゃこの広すぎる階層全てのこの壁や道の大地を操ってるって言うのか?いくら組織の能力者でも不可能だろ」
そう告げるヴァン。
「ですがこの迷宮・・・能力を使えば私達を出口に行かせないようにする事なんて簡単なはずです」
そう言うと歩みを止めるミナモ。
「もしかしなくてもってやつか・・・」
ヴァンがそう言うと
「はい、間違いなく私達は相手のテリトリー内で監視されてるような状態です」
真剣な表情でそう言うミナモなのであった。




