第14話:本部能力者の実力(4)
「あいつ、モエと同じ炎の能力者か」
そう言う拓也。
「私と同じ能力者が敵対者の中にいたの…まぁ、あとでじっくり試してあげるとして…最初の標的は風の能力者」
と、炎弾を放ってきたノヴァ。
「散れ!」
拓也とヴァンが同時に叫び、メンバーはノヴァの炎弾を食らわない位置へとそれぞれ移動した。
「どう見てもあいつ遠距離タイプだぜ…まともに戦うには拓也…お前しか」
そう言うヴァン。
「わかってる。それに本部の能力者だ…最初から本気で行かなきゃ負ける」
そう告げる拓也。
「でも、一人じゃ…」
心配するミナモ。
「ヴァン…頼みがある」
「何だ?」
「ミナモとモエを連れて第三階層を進んでくれ。後ですぐに追いつく」
拓也がそう言うと
「あの人、私より数倍も強い力を持っています。拓也さんだけの力じゃ」
そう告げるモエ。
「悪いなモエ。でも、俺も本気になったらモエ達も巻き込みかねないんだ…だから先に…頼む」
真剣な表情でそう言う拓也。
「あいつに勝つ策はあるのか?」
ヴァンが尋ねると
「一応な…少なくとも後退させるぐらいだろうけどな」
そう答える拓也。
「なら、行こうぜ」
ミナモとモエにそう言うヴァン。
「拓也さん…」
「ミナモ…約束…ちゃんと守るまで俺は倒れないからな」
そう言う拓也。
「…無事に追いついてくださいね」
そう言うと拓也に背を向けるミナモ。
「とりあえず下の扉をぶち壊して先へ進むぜ」
ヴァン達は拓也から離れ第三階層への扉の前に移動した。
(遠くだからあまり会話は聞こえなかったが…あの風の能力者…何か仕掛けてくるか…一応は全員を捕らえるのが私の役目だが…)
と、ノヴァは何かを操作すると次の瞬間下のドアが動き出し開いた。
「なっ…」
驚くヴァン達。
「拓也さん、これって…」
「あいつが開いたんだろ…これであいつも本気で来るだろうな…」
そう言う拓也。
「拓也さんの足を引っ張るわけにはいきません。先へ向かいましょう」
先頭で扉の奥へ進んでいくミナモ。
そして、それに続くヴァンとモエ。
三人が通過すると同時に、扉はノヴァの操作により再び閉じられた。
「ミナモ達を進ませてくれたことに関しては礼を言うぜ…」
「さっきの炎弾は挨拶代わりだ。さっきのが本気だとは思うなよ。風の能力者!」
と、階段を駆け下りていくノヴァ。
「接近してくるか…なら」
刀を構え風を纏わせる拓也。
(斬撃系の武器に風の能力…一撃の殺傷能力は本気を出せばあいつの方が上だろうな…なら、こちらも…)
「行くぜ!」
向かってくるノヴァに対して、拓也は刀に纏わせた風を刃としてノヴァに放った。
「炎剣!」
と、次の瞬間風の刃は炎の剣によって真っ二つに切り裂かれたのだった。
「炎の剣…」
「驚いているか…まだこの境地にまでは足を踏み入れていないようだな…」
そう告げるノヴァ。
「炎そのものが剣の形に…あれも能力なのか」
「私は組織のトップに立つ三人に告ぐ力を持つ五星と呼ばれるグループの一人…そして、五星全員がこれ以上の力を持っている…無論トップの三人に関してはその更に上をいく」
「五星…」
「お前、リュートと戦ったことがあるそうだな…組織内でも話が出ていた」
そう言うノヴァ。
「まさか、リュートも五星とかの一人なのか」
拓也がそう聞くと
「そうだ…お前はただ遊ばれていただけだ…だからこそこんな所にまで生きて来る事が出来た…だから、それもここまでだ」
炎剣を構えるノヴァ。
「能力の次のステップを持たないお前は私には勝てない」
そう言い放つと、再び拓也に向かっていくノヴァなのであった。




