第11話:磁力と鉄
無事地下第二階層へとやってきた拓也達。
だが、現在は見つからないように隠れていた。
「結構螺旋階段で暴れたからな…とはいえずっとこうやって隠れているわけにもいかないしな…」
そう言う拓也。
「ミナモさんも拓也さんも大丈夫ですか?」
心配するモエ。
「私は大丈夫ですけど、拓也さんの方が能力を使っていますから…」
そう言うミナモ。
「俺なら問題ないよ。それより何とかこの階層の街に入れればいいけどな」
そう思う拓也。
上の階での騒ぎが原因で、第二階層も拓也達を探す男達でにぎやかになっていた。
「さすがに連続であれだけの数と戦うのは無理があるな」
様子を見ながらそう言う拓也。
「拓也さん、私が空を飛んで街を探してきましょうか?このままここにいてもいつかは見つかってしまいますし」
そう考えたミナモ。
「そうだな…幸い第二階層は天井も高く作られてるしな、頼めるかミナモ」
「はい♪頑張ってきます」
そう意気込み男達に見つからないように高く飛んでいった。
「本当に大丈夫でしょうか…第二階層にも本部の能力者がいる可能性もありますよ」
ミナモを見送りながらそう言うモエ。
「仕方ないさ。こうなる事はある程度予想できてたしな…」
とりあえずミナモが戻ってくるまで、じっとしている拓也。
それからしばらくして男達の数もだいぶ減り、更にその後ミナモが高いところから降りてきた。
「お帰りなさい、ミナモさん」
そう言うモエ。
「拓也さん、街なんですけど。あるにはあったんですが」
そう報告するミナモだったが、何やら元気がなさそうだった。
「何かあったのか?」
尋ねる拓也。
「この近くの街…特殊な構造になっててこの第二階層の中で高い場所に造られてるんです」
「どういうことなんだ?」
「外からの進入とかを防ぐためらしいんですけど…階層の移動と同じようにあの街に入るには決められた所からしか通常は入れないみたいです」
「通常はってことは…」
拓也がそう言うと
「はい、私が抱えて飛んでいけば一人ずつですけど入る事は出来ますよ」
そう答えたミナモ。
「それしかないみたいだな…ここから天井ギリギリを進んでいけば地下の連中に見つからずに街に入れるか?」
「着地場所をちゃんと選んで降りれば大丈夫です」
「わかった、それじゃモエ」
「はい?」
いきなり声をかけられて驚くモエ。
「先にミナモと一緒に行ってくれ」
「それなら拓也さんが先に」
モエがそう言うと
「ここがずっと安全だって言う保障はないからな。俺が残っていた方がいい」
そう告げた拓也。
「すみません、拓也さん」
「それじゃ行ってきますね」
そう言うとミナモはモエを抱えて再び高く飛んでいくのだった。
そんな頃、ミナモが見つけた第二階層の街では…。
「お前の…ような奴がこの街に居座ってやがるのかよ」
そう告げる一人の男。
「【鉄】のヴァンか…。中々の能力だったが、所詮本部に登録されていない能力者。俺の能力の前には意味がなかったな」
そう言うもう一人の男。
「本部の能力者…【磁力】の能力者・シルヴァ…」
「許可もなくこの街を経由して第三階層に降りる事は出来ない…いくらお前がこの地下世界の住人であってもだ」
そう言い放つシルヴァ。
「だが、おかしな奴だな…お前を倒せば本部の事情関係ないしにそこを通すって言うしよ」
「俺の一つの信念だ。俺は本部の能力者で本部の指示を受けてこの街にいる。だが、ここを負かされた以上ここでのやり方は俺が決める」
そう言うシルヴァ。
「ちっ、厄介な奴だな」
そう呟きながらヴァンは一時退却していくのだった。




