表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
38/40

第三章 【神の子】2.本当の心 パート8

三人はどんな作戦を立てるのか。

三人が店に入ると、それに気付いた店員が笑顔で出迎えた。


『おお、もう戻ってきたのか。あの街までは、行って帰ってくるだけで三日はかかると思っていたんだがな?目的地を変えたのかい?』


店員は首を傾げながら注文を取る。


『ああ、ちゃんと行ってきたぜ。抜け道を知ってたんだ。』


フィンが答えると、店員は「なるほど」と頷いた。


『そうなのか……今度、俺にも教えてくれよ。

あの街には、美味いパン屋があるって有名なんだ。ただ、ここひと月ほど噂を聞かなくなってな。』


フィンは、バッカライをじろりと見る。

バッカライは視線を逸らすと、白々しく口笛を吹く。

そんな光景を横目に、エリシアは袋を机の上に置き、中からパンを一つ取り出して店員に手渡す。


『これが、そのパンだ。食べてみてくれ。』


店員は少し驚いた後、ためらいながら、一口かじった。

その瞬間――

店員の目が大きく見開かれる。


『……美味い!あの街のパン屋の店主は高齢だって聞いていたから、もう店をたたんじまったのかと思ってた。

もう食べられないのかと諦めてたんだ。』


その言葉に、バッカライは照れ臭そうに笑う。


『どうだい。【うちの】パンの味は?美味いだろ。』


店員はさらに目を丸くした。


『【うちの】って、あんた……あの街のパン屋の関係者なのか!?あんたも、その抜け道を通ってきたんだろ?よかったら紹介してくれないか。

このパンを使ってサンドウィッチを作ってみたいんだ。』


『ああ、いいぜ。今回の仕事が終わったら紹介してやるよ。

親父のパンだけじゃなく、俺の焼いたパンも食わせてやる。』


バッカライは親指を立て、エリシアへ合図を送る。

フィンは、バッカライの「俺の焼いたパン」の言葉を聞くと、バツ印を無言で店員に送る。


『そうだな。仕事が終わったら連れて行ってやってくれ。

親父殿も安心するだろうしな。』


店員は注文を取り終えると、嬉しそうな笑みを浮かべながらテーブルを離れていった。

それを見計らい、エリシアが口を開く。


『では、今回の仕事の話をしようか。』


エリシアは、フィンとバッカライの顔を順に見渡した。


『バッカは、今日の夜から明日一日を使って、情報収集と神殿周辺の地形把握を頼む。

やり方は任せる。』


バッカライは静かに頷く。


『フィンは私と共に街へ出て、祭典について聞き込みを行う。

我々は既に神殿側に顔を知られている。余計な警戒をされないよう立ち回りたい。』


『確かにな。

つまり、何か違和感を感じたら知らせるのが俺の役目って事だな。』


エリシアは深く頷いた。


『ああ。その通りだ。

お前の勘が頼りだ。頼むぞ。』


『フィン!俺の代わりにエリシア様の事を頼んだぞ!』


『任せろ。エリシアは一人にすると危なっかしいからな。ちゃんと見張っとかねぇと。』


その言葉に、バッカライもうんうんと頷く。


『お前たち……私を何だと思っているのだ!』


エリシアは腕を組み、不満げに頬を膨らませた。

そんなやり取りをしていると、テーブルに料理が運ばれてくる。


『お待ちどう。当店自慢の肉料理だ。

少しサービスしておいたから、たくさん食べてくれよ。』


店員はウインクすると、大盛りの皿をいくつも並べていった。


『さあ、食べたら前哨戦の開始だ。』


そう言うとエリシアは、分厚いステーキへナイフを突き立てた。


――


翌日の夜――

店じまいを終えた小さな食堂に、三人の姿があった。

蝋燭の灯りに照らされた薄暗い店内は、秘密の会議を行うには、うってつけの雰囲気だった。


『では、持ち寄った情報を整理しながら作戦を立てる。』


エリシアは二人を見渡し、静かに続ける。


『まずは私からだ。聞き込みの結果、二日後の祭典では、既に【神となった】事を祝うらしい。

つまり、本祭が始まった時点で手遅れと思った方がいい。』


エリシアが言い終えると、フィンが続く。


『じゃあ、いつ神になるのかって話だけど……どうやら前日の夜――【宵祭り】で、その儀式をやるみたいだな。』


『ああ。だから、それまでに何とかノクスの元へ辿り着きたい。』


エリシアは腕を組み、バッカライへ視線を向ける。

バッカライはニヤリと笑うと、ゆっくり口を開いた。


『――それなら、とっておきの情報がありますぜ。』


決戦は【宵祭り】

バッカライが仕入れた【とっておきの情報】とわ?

パート9に続く。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ