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第三章 【神の子】1.ノクスの決意 パート4

ノクスの心当たりとは?

フィンを助ける事はできるのか・・・。

ノクスはそう言うと、静かに語りだす。


『我々ダラの信徒に伝わる、一つの伝説があります。

それは――ダラ神が世界を旅し、教えを説いて回っていた時に携えていたとされる錫杖の伝説……。』


――

それは神話の時代。

女神ダラは、自らが創り出した世界を旅していた。

この世に渦巻く、悲しみ、苦しみ、痛み――

それらを癒すための旅だった。

ある日、ダラはとある村に辿り着く。

しかし、その村には活気がなかった。

子供の姿すら見当たらない。


『この村には、外で遊ぶ子供の姿が見られませんが……何があったのですか?』


ダラが問いかけると、村人は重い口を開いた。


『数日前、村の北にある水場にバケモノが住み着いてしまいました。

そこから流れてくる水を飲んだ者は、皆、生気を失い……動けなくなってしまうのです。』


――何ということか。この村は、呪われている。

そう感じたダラは、すぐに水場へと向かった。

――

水場に辿り着いたダラに、バケモノが襲いかかる。

だが、それを打ち払い――

黒く濁り、腐臭を放つ水へと、錫杖を突き立てた。

静かに祈りを捧げる。

すると――

呪いは霧散し、水はたちまち清らかさを取り戻した。

さらにダラは村へ戻り、錫杖を打ち鳴らす。

澄んだ音が響き渡った。

その音を聞いた村人たちは、次々と生気を取り戻していく。

こうして村は救われた。

――

――


『……このような伝説です。』


ノクスは静かに目を伏せ、続ける。


『【ダラの錫杖】――あるいは【奇跡の杖】。

呼び名は様々ですが……これは単なる伝説ではありません。』


一度言葉を切り、ゆっくりと顔を上げた。


『ちゃんと実在します。そして――実際に奇跡を起こすことができます。』


その言葉に、エリシアが眉をひそめる。


『まるで見てきたような口ぶりだな……ノクス。その錫杖の在処に心当たりがあるのか?』


ノクスは真っ直ぐに頷いた。


『はい。知っています。

この街にはダラの教会があるようなので、明日、私はそこで正体を明かし、神殿へ迎えを要請します。』


――私の正体。

その言葉に、エリシアが口を開く。


『【神の子】……だったか。

フィンから聞いたが、人に知られたくないものなのだろう?』


ノクスは小さく頷く。

だが――ゆっくりと首を振った。


『もちろん知られたくは、ありません。』


一瞬の沈黙。


『……ですが、フィンさんが死んでしまうのは、もっと嫌です。』


拳を握り、胸に当てる。

小さく、かすれるような声で呟いた。


『エリシアさん……あの時の貴方の気持ちが、今ならわかります。』

『何か言ったか?すまん、聞き取れなかった。もう一度頼む。』


その言葉に、ノクスはふっと笑った。

そして――力強く言い切る。


『フィンさんは、私が必ず助けます。私を信じてください!』


ノクスの覚悟とは・・・【神の子】とは・・・

パート5に続く。

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