77話 神とは何か
神とはなんなのだろう。
そんなことをぼんやりとした頭の中で考える。
幼い頃に聞かされた神話にはたくさんの神様が出てきた。
みんな人間が描いたおとぎ話だったのだろう。
だって、現実の神様はこんなにも無関心で、人間より世界が大切で、世界のために人を人でなくする人だ。
そしてそんな神様と呼ばれる者は、案外近くにいたらしい。
国王は、もう随分昔に亡くなっていたそうだ。
私に近づくため、そしてこの世界をよりよく見るために。
かつて私が初めてお仕えしたいと思った方は、ただの偶像だったらしい。
自分の願望がそのまま形になっただけだった。
物事を広く見ながらも、誰よりも何よりも人を大切にする人なんかいるはずないのに。
この世界はかつて、今目の前にいる神様が収めていたらしい。
だが、他の世界との調節によって力を失い、剣の中に入るようにして力を溜めていた。
『創造神ノ剣』と言う名前は、時とともに変化した言い伝えなのかもしれない。
時間は、それだけ人を忘却の彼方へといざなうものだ。
全てが変わったのは、私がランディーネ侯爵家の当主として表舞台に、というか生まれてからなのだろう。
この世界は目の前の者がいた時に作られた擬似的な神様が支配し、私はそこの筋から加護を与えられた。
外界との繋がりを持たなかったその人は、そこからなけなしの力を使って準備を始めた。
全ては世界の均衡のために。
なけなしと言っても、彼に対しての信仰心の熱い人間は数多く存在していたこともあり、相当なものだったのだろう。
そうやって、何もかもを上手くいかせたところで、私を手に入れた。
物みたいに言うんだな。
話を聞いてて思ったことはそれだけだった。
神と人間は、やはり異なる生き物なのだと。
神は人類の味方なのだと思ってた。
実際、神は人類を救ってくれるのかもしれない。
でも、私のことは救ってくれなかった。
私はこれから、この世界の管理を代わりにするようになるらしい。
私の意思?
そんなもの、誰も知らないんじゃないの?
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