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ギズロフは、すっかり元気になったようですわね。

立ち上がって豚を小突くくらいには元気になったようですわ。

「お前ら手間掛けたな。もう大丈夫だ」

その一言にあのロキシーですら、安堵したように表情を緩ませましたわ。

「ビッグエイプはもう光と消えちまっただろうから、くたびれ儲けだが、生きているだけで奇跡だな。まあ、そこは気にしないでおこうか」

「早速旅に戻る……と言いてぇところだが、回復薬が心もとねぇな。回復薬はほとんど、この豚が食っちまうからな。それに、ここからはろくに補給ができないと思ってくれ」

「どういうことですの?」「人の入れる町が無いのさ。ここ、カクテラから南東の祠にお目当ての龍の魂があるんだが、竜人が勝手にいついてる場所に近いんだ。そのせいで、ここから先には竜人の町しか無ぇんだよ」

「一緒に住むことはできないのかしら」

私の発言に、ギズロフは吹き出しましたわ。

「あのな、姉ちゃん。攻撃してくる相手と飯や酒を食えるか?何されるかわからねぇだろ?イズメリィとアステリアがレミオル領から割譲されてから、あいつらの恨みは骨に染み付いてんだよ。悪いこと言わねぇから、変な期待は止めとけって」

私は、その発言に不承不承頷きましたわ。

「まあ、そういうことで、備えをしておいてくれ」





私は、豚とメイベルとで回復薬や弾を買いにいくことになりましたわ。

背負っている銃の弾は、専門の職人でないと作れないそうですの。

私も設備がなければ、いくら≪異能≫があっても作れませんし。

メイベルは無言でしたが、いつも通りですわね。


カクテラはイズメリィの首都でありますけれど、リコリスのような立派な城はありませんわね。

「ここは、設定上竜人と人間が戦って、負けた敵の城を取り壊したらしいからね」

最近分かったのですけれど、豚はゲームのことに対しては饒舌になりますわね。「どうして、城を取り壊しましたの?利用もできますのに」

「うーん、きっと秘密の入り口とかあって闇討ちされたら困るからかな?分からないけど」

「……どうして、竜人と人が殺しあうのかしら」

私の質問に、豚はしばらく考えていましたわ。

「うーん、設定じゃ竜人は一旦魔王側についたから、人間は必死に竜人と戦って、最初不利だったのにイズメリィを割譲するほど活躍したらしいんだよね。人間は一度魔王についた竜人を決して許さないし、かといって竜人は領土を奪った人間を許さないしで火花が散っているんだって。ゲームでは自治区からレミオルに追い出す依頼とか受けられるよ」

「それは、正しいのかしら」

「竜人がイズメリィ南東部からは退かないから、人間も仕方なしに自治区として認めているんだから、竜人も譲歩するべきだと僕は思うけどね」

「……そう、ですわね」

豚は何か喩え話をしていましたけれど、不思議と耳に入ってきませんの。


それから無事に薬などを買って装備を整えましたわ。私たちはさらに一泊しましたの。

その翌日、出発しましたわ。

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