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さすがに無理でしょ

 順調に勝ち進んでもう準決勝か……。早いことは良いことだけど次の相手は……。


「まさかここであなたと戦うことになるなんてね……」


「いやいや絶対無理でしょ。棄権させていただきます」


「そんな?嘘でしょ?大丈夫。死なないように手加減してあげるから」


「レベル差30近くもあるんですよ。さすがに無理でしょ」


 でもこういう時こそ、秘められた力に覚醒するのが定番かな?


「そんなことないわ?あなたにはまだ何か隠された力を感じるもの。

またその力が覚醒するに違いないわ。全力でぶつかって来なさい」


 ストレートにネタバレ来た。これは俺が覚醒するとみていいんだな?


「じゃあやれるだけやってみますよ」


「そのいきよ」


 選手控室には、アイラが駆けつけてきていた。


「すごいねロアル、ここまで勝ち進むだなんて。

二人とも頑張ってね。でも私はどちらかと言えばロアルを応援してるよ」


 ありがとう幼女ちゃん。


「不安なら、このいにしえのつるぎ、貸そうか?」


「……いやそれはいいです」

 何を今更。



「準決勝第一試合まもなく開始です!」


「ウワアアアアアアアアア」


 観客たちが歓声をより一層沸かせている。

 予期せぬ見習い召喚士ロアルの活躍によって、会場は大いにヒートアップしていた。


「……もはやあまり話は必要ないわね」


「そうみたいですね」


「さっさと始めましょう」


「はい、よろしくお願いします」


「ここに召喚する。いでよ雷の魔獣!」


 すると魔法陣が現れ、周辺に光りを放った。

 その光が黄色く変わり、上空にすーっと伸びる。

 うーん……。これが雷の魔獣の魔法陣の光か。


 黄色いモヤが魔方陣から溢れ出てきて、次第にその量を増す。


 そのモヤが晴れていくとき……。

 魔法陣は再び光り、やがてどんどん黄色くなり、その光りは空に去った。


 ……雷の魔獣雷獣が召喚された。

 対象のレベルは50だ。


 本当に全力で召喚してくるんだな……。

 雷のオーラを纏っていて気迫を強く感じる。これが本当の雷の魔獣か……。


「雷獣よ」

 名前もそのまんまなんだ。


「そっちがそう来るなら、今度こそ……」

 ここでようやく本物のイフリートが出るとき……。


「炎の魔神を、ここに召喚する」


 すると魔法陣が現れ、周辺に光りを放った。

 ひと際大きな魔方陣が俺の前に現れた。

 その光が赤黒く変わり、上空にすーっと伸びる。

 

 間違いない。これは炎の魔神イフリートの魔法陣の光だ。


 赤黒いモヤが魔方陣から溢れ出てきて、次第にその量を増す。


 これはまさか……。

 周囲では緊迫した空気が漂った。


 そのモヤが晴れていくとき……。

 魔法陣は再び光り、その光りは空に去っていった。


 そして、そこには一匹のドラゴンが召喚されていた。


「グルルルルアアアアアアアア」


 レッドドラゴンが召喚された。

 対象のレベルは50だ。


 え?ここでレッドドラゴンが召喚されただと?


「そんな。まさかまたここでイフリートを召喚したぞ」


「あいつの魔法力は底なしか」


「ロアルはもはや見習いにあらず、ハイクラスの召喚士のうつわじゃ」


「いやいや、みんなよく見て?イフリートじゃないよ?」

 みんな目がおかしいんじゃないのか?


「すごーい、またあのお兄ちゃんアスリート召喚した」


「三大上級召喚術の魔物同士の戦い、こうなると勝負は五分五分ね」


 やっぱりルビアさんまで……。

 いや待て、逆に俺の目がおかしいのか?


「……何を考えているの?

こうなった以上魔物同士戦わせて……。勝ったほうが勝者。そうでしょ?」


「……そうですね」

 余計なことを考えてる場合じゃなさそうだ。


「グルルルルアアアアアアアア」

 レッドドラゴンがロアルの方を向きじっと見つめる。


 うーん……?なんか引っかかるな。

 その純粋な瞳の煌めきは……。

 ……まさかお前?


「コドモどらごん?」


「グルルルルアアアアアアアア」


「もしそうなら……」


 試しにロアルが指示を出すと、レッドドラゴンはコドモどらごんと同じように動いた。


 あの時と同じ動きだ。あのゴブリンの群れを一緒に倒した時のように……。


 おまえまさか……同一人物ってこと?

 ……いや同一魔物か。

 ということは……あの時バグで消えたのは?

 そう見えただけで巨竜に、ただ変身してたってことか?


 だとしたら、この戦い……もしかしたら勝てるかもしれない。


「自分が意図するように、イフリートを操っているぞ」


「なんと、魔物使いとしても一流じゃったか、いやあ恐れ入った」


「まさか炎の魔神イフリートをそんなにも自由に操れるなんて……。

これはわからなくなってきたわね……」

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