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人を選ぶつるぎ

 ……ふう。

 クエストをこなしたからギルドでお金も貰えたことだし、

 そろそろ装備でも買ってみようかな。


 まだ俺は見習いだから、見習いのローブを脱ぐわけにはいかないし……。

 とりあえず武器を調達するとしますか。


 ロアルたちは武器屋に駆け込んだ。



「いらっしゃい、いいもの取り揃えてるよ」


 武器屋のおじさんの元気な声が店内に響いた。


「えーと……何か召喚士用にコスパの良い杖はありますか?」


「そのローブ……見習い召喚士さんだね?

えーと杖ね、つえつえ……。向こうかな?」


 武器屋のおじさんは、杖を探しに店の奥へと消えていった。


「……ねえちょっと、これを見て!人を選ぶつるぎですって」

 ルビアさん、急に大きな声出さないでよ。


「わあ、なんだか強そうな武器だね」

 唐突に始まったなイベント。そしてわざとらしい。


「お客さん、良いところに目をつけたねえ。

それは選ばれた者しか装備できないいにしえのつるぎだ」

 よくある設定の武器だな。


 どれどれ……。確かに古き良き剣のようで……磨けば光りそうなつるぎだな。 


「そうなんだ……。そうだ、ロアルならもしかしたら装備できるんじゃない」


「無理よ、召喚士につるぎだなんて。いくらロアルでもそれは……」


 この流れは……。主人公補正がようやく来たか?

 ここは流れに乗っておくとするか。


「そう?でも何事もやってみないとわからないじゃん?

装備できるかちょっと試してみようかな」


 ロアルが行動を起こそうとしたその時、アイラはそのつるぎを手に取った。


「……あ、できた。装備できたよ、わたし」

 え?


「へえ、すごいじゃないアイラ。それなかなか似合ってるわよ」


「……そうかな、えへへ。ちょっと構えてみるね。どう?」

 アイラは剣を構え様々なポージングをとった。


 違うじゃん、それ絶対主人公が装備するところじゃん。


「お嬢ちゃん……似合ってるねえ」

 その辺にいた客が言った。


「なかなか良さそうな品ね。買うべきよ」


「それが装備できる人がいるなんて……。初めて見たよ、俺も装備できなかったから」


「小さいのにやりおるな」


 店の客が急に現れ始めたな、今までどこにいたんだ?


 皆の注目を一斉に集めるアイラ。


「みんなにそこまで言われたら……じゃあ……」


 もうやだこのRPG。


「お客さん装備できたのかい?すごいねえ。もしかして勇者の末裔かい?」


「そうだよ」

 さらっと重要事項を言うんじゃない。


「ところでこのつるぎはいくらかしら?」


「そうだなあ、大負けに負けて10000Gだな」


「……わたしの所持金が全部吹っ飛ぶよ。どうしようロアル?」


「さあ……どうしようか?」

 困ったときだけ俺に振るのやめてね?


「……それはさすがにぼったくりじゃないかしら。

普通の人は装備できないのにその価格はひどいわ」


「……そうかい?じゃあいくらならいいんだい?」


「半分の5000Gなら買うわ」

 自分が買うわけじゃないでしょ?ルビアさん。


「仕方ないな、どうせ買われないでそこに置かれているより、

誰かに使ってもらったほうがそのつるぎも喜ぶだろう。

よし、その価格で売ったよ」


「ルビア、ありがとう」


「……そうね、今回は私が買ってあげるから大切にするのよ」


「ほんとに?」


「ええ」


 そう言うとルビアは店員にお金を差し出した。


「ありがとおお」


 アイラは喜びのあまりルビアに抱きついた。


 なんか良い話になってるけど、また俺取り残されてるよ。

 主人公を忘れないでね?



「……そう言えば、新しい剣があれば、もうその斧はいらないんじゃない?」


「じゃあ……これ売ってしまおうかな?」


「不要なものなら、高く買い取るよ?」


「……じゃあこれ……ロアルにあげようかな」


「え?」

 俺は魔法主体で戦うから、斧とか別にいらないんだが。


「ロアル?これほしい?」


 アイラはその体には似合わないアックスを、ロアルに差し出した。


「いや……いらないけど」


「じゃあ売ります」


「もったいないわね、貰っておけば何かに使えるかもしれないのに」

 なにその後悔させる言い方は……。貰っとくべきだったか。


「この斧なら……そうだな5000Gだ」


「……さっきの額と一緒だ。じゃあこれはルビアに返すね」


「あらそう?なら貰っておくわ」


 なんかうまく纏まったけど、いやこれさっきのやり取りいらなくね?

 結局ただ装備が変わっただけじゃん?



「ありがとう、また来るよ。ここはいい武器屋だね。

早速この武器の性能を試したくなったよ」


「とてもいい買い物ができたわね」


「ありがとうございました」


 そして三人は店を後にした。


 ……ところでみんな俺の杖のこと忘れてません?


 その後店にまた入ると、余計なイベントは発生せず、ロアルは普通に杖を購入した。


「どう行動すれば良かったのか……謎だ」


 ロアル

 レベル15

 職業、見習い召喚士。

 装備は、スターワンドに見習いローブ。

 習得スキルは炎の初級魔法と召喚術レベル2。

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