表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
20/51

こらしめるの!

「御邪魔するの」


「勝手に入ってきた!?」



 食事を終えた頃、沁ちゃんが勝手に部屋に入ってきた。

 玄関のドアを閉め忘れてた様だ。



「ジミちゃんやー!」


「おはようなの」



 もう夜だけどね!!



「起きたんやね、良かったー!」


「グッスリなの!」


「肩痛くなってへん?」


「背中が痛いの……」


「分かるで! ウチもやった!!」



 見た目は若いのに中年の集いの様だった。



「それでどしたんジミちゃん?」


「遊びに来たの」


「そうなん? せや、一緒にファミ〇ンやろー」


「やるの」


「沁ちゃんもゲームするの?」


「ゲームの歴史は三十年ぐらいと浅いから、結構新鮮なの」


「ウチも思ってたー!」



 俺からすると子供の頃の遊びだけど。

 何百年と生きている二人には最近のことなのだ。


 同じ感情を共有できないのは少し寂しかった。

 二人がゲームをする姿を見ながら、そんなことを思った。



「ゲームは楽しいな、御兄さん」



 不意に不死ちゃんがこっちを見て笑った。

 ドキッとしてしまう。


 少なくとも、同じ瞬間は共有できている。

 その愛しさを無視はできないな。



「ジミちゃんは好きなゲームある?」


「うん。……桃太郎はあるの?」



 沁ちゃんが俺に訊ねてくる。

 桃太郎と言えば……。



「えっと、どっち?」



 ほぼ二択である。



「伝説の方なの」


「流石にあらへんかも」


「確かにな、鉄道の方じゃないもんな。まぁ、あるけど」


「あるんやー!?」


「グッジョブなの」



 沁ちゃんはグッと親指を立てた。

 カセットを入れ替えて、冒険が始まる。


 それから俺達は桃太郎の旅路を見守った。



「すぐ敵が出てくるなー」


「やはり昔のゲームは長く遊ばせる為に」


「レベル上げ楽しいの」



 などと言っているうちに、夜は更けて。

 ふと思い出した頃に携帯を見ると、深夜一時だった。


 ……。

 は!? もうこんな時間!?



「あのー、もう寝ても良いっすか?」


「ええでー」


「沢山寝たから、目がシャッキリなの!」


「ウチも起きるん遅かったからまだまだイケる!!」



 二人はやる気のようだ、冒険の旅は続く。

 俺は布団を敷くと、風呂に入ってきた。



「頑張ってくれー。お休みー」


「うん、御休みー」


「御休みなの」



 布団の中に潜り込む。

 今日はショッピングセンターまで遠出したからちょっと疲れていた。

 目を瞑るとすぐに眠りについた。


 ……。

 ……。


 夜中にトイレがしたくなってきた。

 薄目を開いて二人を覗く。



「やっとこらしめたの!」


「凄いでジミちゃん!」



 二人が抱き合って感動していた。

 どうやらボスをこらしめたらしい。


 寝ぼけながら凄い凄いと笑っていたら。

 胸元を開いた不死ちゃんがこちらを向く。



「おはよーさん」



 そう言って笑みを見せた。

 何で胸元を開いているんですかね……。


 色々と言いたいことがあったけど、まぁいいか。



「おはようなの」


「トイレしたらもうちょっと寝させてー」



 ささっとトイレに向かう。



「は!? ウチ寝るの忘れてた!?」



 今更気付いたのか、とトイレで笑った。

 居間に戻ると、不死ちゃんがこちらを見ていた。



「ウチ寝ようと思います!」


「どうぞどうぞ」


「アタシも一緒に寝るの」


「あ、じゃあサプリ用意するな」



 俺は引き出しからサプリを取り出すと二人に渡す。



「ありがと、御兄さん」


「ありがとなの、御兄ちゃん」


「じゃあ、お休み」


「御休み」


「なの」



 二人はサプリを飲むと。



「……すやぁ」


「……スヤァ」



 あっさりと眠りに付いていた。



「効き目凄いなぁ……」



 そう思って何気なくサプリを見ると。

 ブルーベリーと書かれていた。


 ……。

 間違えた。

 睡眠用のサプリちゃうやん。



「……ちゃうねん」


「!?」



 寝言……?



「……すやすや」



 みたいですね。

 もしかしたら二人は思い込みが激しいだけなのでは。

 などと、笑いながら眠りに付いたのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ