第四十一話 告白
第四十一話 告白
長政が姉川から戻り、小谷にやっと静寂が戻って十日ほど。
次の戦までは、まだ間があった。
久しぶりに訪れた穏やかな時間。
長政は、すずの部屋に足を向けることが増えていた。
「すず、入るぞ」
すずは膳を片付けていたが、長政を見ると動きがぎこちなくなる。
「殿……ご政務お疲れさまです」
「すずの顔を見ぬと、一日の締めにならんのでな」
長政はそう言いながら、すずの側へ歩み寄り――帯にそっと手を添えようとした。
その瞬間。
「っ……!その……控えていただけませんか、そういうの……」
いつもは拒まないすずの言葉に、長政の動きが止まる。
「……なぜだ?すずに触れたくて仕方がないのだが」
すずは顔を真っ赤にして俯いた。
しかし、覚悟を決めて口を開く。
「……私……腹に……子を宿しましたから……!」
沈黙。
風の音すら止まったような静寂のあと。
「…………え?」
あまりの衝撃に、普段冷静な長政が完全に固まった。
次の瞬間。
「すず!!!!!」
嬉しさと喜びが爆発し、長政は勢いよくすずを抱きしめた。
「い、いたっ!? 殿っ……!」
すずの細い体はあっという間に引き寄せられ、長政はそのまま強く抱きしめて回った。
「すずが……すずが俺の子を……!なんと……なんと愛しい……!」
喜びが抑えきれない長政は、すずの額や頬に、重ねるように口付けを落としていく。
「すず……ありがとう……!
俺は……俺は……!」
あまりの勢いに、すずは目を回して後ろへよろけ――
「わっ……!?」
ごっ……。
「痛っ!!」
すずは後頭部をぶつけて、長政は青ざめる。
「すず!?すず!!」
「い、痛い……です……殿のせいです……」
「す、すまぬ!!嬉しすぎて……その……!」
真っ赤になった長政が右往左往するその姿は、戦の大将とは思えぬほど慌てふためいていた。
「な、なんでもするから……!と、とにかく動かぬよう……ああ、医者を……」
「い、医者は大げさです……ただの……殿の力加減のせいです……」
長政はすずの手を取り、その手を胸にぎゅっと抱きしめた。
「すず……すずの身に……俺との子が……それがどれほど幸せなことか……」
声が震えていた。
すずは頬を染めて、そっと言う。
「……殿に……一番にお伝えしたかったのですが」
長政は目を閉じ、すずをそっと抱きよせた。
今度は、優しく。
「……ありがとう。すずを、今までよりも大切にする。すずも……この子も……命に代えても守る」
その目は、これまでに見たことのないほど強く、深く、そして愛に満ちていた。
すずのモデルは私です。
結構正直で嘘は下手です。
あとやっぱり長政は家族のことになると狂いますね。いい男です。
はは(??)




