幕間 終末晶石と魔女と神獣
禁忌指定区域”魔の樹海”と呼ばれる場所に大昔、終末晶石が落ちた。
青く輝く大きな鉱石の塊を見つけたのは八人の魔女だった。
終末晶石から溢れ出た魔力と終末晶石の持つ特異物にとって五体の獣が生まれた。
亀の姿をした一匹はある巨大な火山に、大蛇のような龍の姿をした一匹は広大な海に、角を生やした馬の姿をした一匹は空を駆け、三又の虎の姿をした一匹は大地を踏みしめ、大樹の姿をした一匹は森から動かずに泉を作り出した。
世界の災厄として名を残すようになった神獣が生まれた原因である終末晶石が危険と同時に、魅力的で神秘的な力を持つと気がついた魔女たちは、その力に惹かれ七人の魔女は終末晶石を七つに分けて、己の体に取り込んだ。
イーラという魔女は終末晶石を分けた一つ、血のように赤い異質な鉄分を含んだ紅玉を取り込み、後に鮮血の魔女と呼ばれた。
カリスという魔女は終末晶石を分けた一つ、大樹の五大神獣の一角、大樹の姿をした神獣の核となった翠玉を取り込み、後に慈愛の魔女と呼ばれた。
フォールティアという魔女は終末晶石を分けた一つ、透明に輝く、最も終末晶石の純度を保った金剛石を取り込み、後に戦の魔女と呼ばれた。
ユストゥスという魔女は終末晶石を分けた一つ、どこまでも青く、深淵をもたらし揺るがない心を与える蒼玉を取り込み、後に正義の魔女と呼ばれた。
フィデスという魔女は終末晶石を分けた一つ、終末晶石で最も美しい煌きを放つ真珠を取り込み、白の魔女と呼ばれるようになった。
インヴィディアとい魔女は終末晶石を分けた一つ、終末晶石で最も多く含めれていた白銀石を取り込み、銀の魔女と呼ばれるようになった。
ラーグナーという魔女は終末晶石を分けた一つ、様々な色に変化し、効力の特性が変化する希少な金緑石を取り込んだ。終末晶石の中でも特殊で、彼女以外誰も取り込めなかった彼女は、後に魔女を統べる女王となった。
ソフィアという魔女は終末晶石を取り込んだ七人の魔女に、溢れ出る魔力の力に支配されないように終末晶石と結ぶ誓約をその知識を持って構成した。終末晶石に選ばれなかった唯一の魔女はその卓越した知恵と研究で、誰よりも終末晶石を知ってしまった。彼女は後に、知恵の魔女と呼ばれるようになった。
五大神獣のうち、森で自ら眠り、泉の管理を慈愛の魔女に託した樹神獣以外の大陸を蹂躙した四体の封印を各国は協力して事に当たった。当時の王たちは女王と七紋家の力を頼り、終末晶石の力を持った七人の魔女が五つの武器を作った。
聖剣アスカロン、聖弓ミストルティン、聖槍ロンギヌス、聖杖テュルソス、聖槌ニョルニュル。
終末晶石の力が混ざったこの武器によって致命傷を負った神獣たちは生まれ出た終末晶石の力で、封印された。
しかし、誰も知らないある魔女は終末晶石の欠片を取り込み、終末晶石に飲まれた魔女がいた。
次回、本編です。




