45話 昼の出会い
「後悔するなよ?お前の言った勝負…、受けてやるよ」
俺のその一言でギルド内に静かな波紋が広がる。
帝国のやつらならまだしも魔女の国の人たち、俺をよくしてくれた人たちを侮辱したこいつを俺は許せない。それが俺を乗せるための挑発だったとしてもだ。
「そうかそうか!受けてくれるか!それでこそ魔女の人間だ」
感に触るぐらいライドは愉快そうに言う。
本当に不愉快だ。ギルドマスターが嫌いになる理由がなんとなく分かる。こいつは普通にうざい。
そのあと勝負についてのルールを決めた。
勝負方法は依頼達成の数ではなく報酬の合計金額で決める。これは互いにをフェアな状態を作るためだ。
依頼の達成件数だとDランクの仕事の方がCランクよりも比較的簡単であり、Cランクであるライドは当然Dランクも受けられるがワンランクの差はそれなりにある。
だから俺が一件片付けている間にあいつは三件目に入ってたりするらしいライドが言うにはだが…
更に仕事の難易度で勝負してはライドの方が圧倒的に有利だ。なにせ俺はCランクを受けられないからな。
そうして報酬の合計金額て決めることになった。
「報酬だが、ギルドから換金されたものに限って…だよな?」
「当然さ。手持ちの金を忍び込ませるのはルール違反。換金、つまり依頼達成の報告は不正がないように二人揃ってしに行くということで」
「ああ、それでいい」
「決まりだね。勝負は…、君にも準備があるだろ?二日後でどうかな?」
「わかった」
こうして勝負の内容と日程が決まり、ライドはギルドから優雅に立ち去っていった。
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ライドは笑みをこぼしながら町の中を歩く。
それに取り巻き三人の男がついて行き、恐る恐るライドに聞いた。
「あのライドさん…。なんであんな勝負を?」
「何がだい?」
機嫌よく取り巻きの言葉にライドは耳を傾けた。
「その…、正直今回ほど大きな問題にはならなかったけど今までも似たようなことがあったじゃないですか。それも全部裏で手を回してここまで来たのに…、なんで今回に限ってこんな危ない橋を…」
そう、今でもライドは多くの問題を起こしてきた。他の冒険者が仕留めた魔獣を横取りしたり、他の冒険者に賄賂を渡して任務を代わりにさせたりなど汚いことをしてきた。
それでも今日まで冒険者としていられたのは伯爵家という後ろ盾があるからだ。
貴族ともなれば裏の情報なんてすぐに拾うことができる。当然、問題になる前に手を打つこともできるし、そうしてきた。
ただ今回、ライドは完全に後手に回ってしまったのだ。
「僕が思ってたよりギルドの対応が早くてね。大方ギルマスが熱心に僕を追い出そうと躍起になったんだろ。流石に裁判になっては僕にも勝ち目はなくなってしまう。あそこは公平さが売りだからね。なら、大元である彼の訴えを消すほかないさ」
「な、なるほど。でももし、上手くいってなかったら…、やばかったんじゃあ?」
そう、実際カナタは一瞬勝負を受けようとはしなかった。それに美味い餌を釣り下げても食いついた様子もなかった。だいぶ悩んでいたようには見えなくもなかったが…。
その取り巻きの言葉にライドは笑いながら答えてやった。
「彼の腕を見たかい?」
「腕、ですか?」
「ああ、彼の腕には腕章が付いていた。それも魔女の国の印であれを貰えるのは王家か七紋家に深く関係のある者だけが身につけるものだ。つまり、ああやって煽れば必ず食いつく。勝負もこちらが有利だ」
「…流石、ライドさんだ」
取り巻きたちは感嘆の声でそう言うと、四人は町の人混みの中へと消えていった。
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二日後にて勝負の日にちが決まり、俺は足早にギルドを出た。
ギルマスにこの話がいくと絶対に面倒なことになる思ったからだ。
少ない時間の中ランクアップが早くなる確約を手に入れたし、今日は帰ってしまってもいいだろう。
何よりギルマスがめんどくさい。
こうして俺は暇な時間が偶然にもできてしまったので適当に王都を散策することにした。
町は大いに賑わい沢山の人が石造りの道の上を行き交う。あまりにも人が多いので財布を盗られないか心配だ。
海外に行った時のような心配をしながら歩いていると、人混みのせいか一人の男とぶつかってしまった。
「す、すいません」
「いえいえこちらこそ」
そして別れてから俺は財布があることを確認する。財布といっても小さな布袋だ。
「よし!ちゃんとあるな」
まあ、そうそう盗られることなんてないだろう。
心配のし過ぎだったかもしれない。そうしてまた歩き出そうとしたところ背後から肩を叩かれてた。
振り返るとそこには若干懐かしい人がいた。
「ようカナタ!これ、財布盗られてたぞ」
笑顔で布袋を持ったエイジさんが声をかけてきた。
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