41話 冒険者ギルド
誤字脱字などがあれば教えて貰えると嬉しいです。
昨晩、ルリナに強くなると宣言した俺は今夢にまで見た場所の前まで足を運んでいた。
やっぱり異世界といえばここだよな。
高揚する気持ち全開で王都の中をいきいきと歩く。
今朝エイジさんからここが王都だと教えてもらった。着いた時に教えてくれればいいのにとは口には出さなかったが…。
そしてルリナから教えてもらった場所に着いた。地図を確認して再度確かめる。
「よし。ここで合ってるな」
国会議事堂は誇張が過ぎるかもだがそれほど大きな建物が目の前にある。石造りで出来たその建物の両扉の上には冒険者ギルドと書かれた看板があった。
何故俺が冒険者ギルドまで来ているかというと、昨夜ルリナから提案されたからだ。
「強くなるんだったら明日ギルドへ行って冒険者になりなさいカナタ」
「ギルド?」
「ええギルドよ」
「なんでだ?それに護衛だってあるし無理だろ」
流石に仕事を放ったらかしてギルドへ行くというのはまずいだろ。それも次期当主という大事な立場の要人だ。
「大丈夫。話は通ってるから」
「どういうことだ?」
困惑した俺はルリナに疑問を投げる。
それからルリナは俺の知らなかった事情を説明してくれた。
どうやらルリナは護衛として俺を連れて行ったのはこの国で冒険者にさせるためだったらしい。
俺自身が強くなるためにギルドに入るのが一番手っ取り早いと考え、サルナ王国に滞在する期間で冒険者として活動しランクを上げて、修行の一環としようとしたらしい。
だがもし俺がそれを断れば本当に護衛の任務をさせようとしていた。この国にいる間は正直言って護衛の必要性はあんまりないらしい。
俺以外にも魔女の国の騎士は数名同行しているし、三人の魔女たち自身も強いらしいしな。
そして俺がしばらく冒険者になることも許可は下りていると随分手際がいい。しかし俺はルリナからひとつの条件を出された。
「いい?帰るまでにAランクくらいには上がってよね!」
そして今に至る。
というかAランクって上から二番目だろ……。
銀の魔薬を飲んでCランクくらいなのに無茶が過ぎると思う。それでも目標があることは大事だ。
俺はゆっくりとギルドの門を開けた。
中は喧騒でいっぱいだ。酒を手にテーブルで飲み交わす屈強な男たち。足下には彼らが使うであろう武器が置かれている。
そして奥の方ではカウンターがありそこで受付をしている若いお姉さんやおば様などが冒険者の相手をしていた。左には大きな掲示板が壁に掛けられ、そこにはいくつもこ張り紙が無造作に貼られていた。
やべえ…、テンション上がってきたッ!!
昂ぶる心と緊張で手に汗が滲む。そうだよ!やっぱ異世界といえば冒険者でギルドだよな!
「おい!」
感激に浸っていると一人の大男が話しかけて来た。
筋骨隆々で無骨な男だ。背には大剣を背負っており、俺は彼から圧迫感を感じた。
「てめぇ見ない顔だな?冒険者にでもなりにきたのか?」
怖い…、顔が怖いよおっさん。
こういう絡みは憧れではあるが出来ればそっとしておいてほしい…。
「えっと、はい…。今日登録をしようと思って…」
しばらく男は黙ると親指をクイッとカウンターの方へ向けて、
「登録は一番右のカウンターだ。身分証はあるなら準備しときな」
そう言って立ち去っていった。
め、めっちゃ良い人じゃないかッ!
人は見かけによらないものだとこの時本気で思った。
俺は優しい大男の言う通りに一番右のカウンターへ向かった。
「ようこそ冒険者ギルドへ。登録の方ですか?」
「はい、そうです」
出迎えてくれたのは優しい笑顔の受付嬢。補足説明を入れると可愛い子だ。
「では身分証の提示をお願いします。お持ちですか?」
あの優しい大男に言われたのですぐに出せるようにポケットに入れていた魔女の国に入る時に作った身分証を渡した。
「確認しますね。…カナタさんですね。へぇ…、魔女の国の方なんですね」
少し驚いた様子のお姉さんはニコッと笑う。
「珍しいんですか?」
「ええ。あの国は魔女の方が多く、そのほとんどは腕が立つ人が多いですから…。男の人で冒険者になるのは珍しいですね」
薄々感じていたが、魔女の国って女性が強い国なんだな…。
そして軽く手続きが済みギルドが発行する冒険者カードというものを貰った。
「こちらの冒険者カードに現在のランクや依頼の確認などが出来ます。また身分証の代わりにもなりますのでご活用下さい」
こうして晴れて俺は冒険者になったのだ。今からわくわくが止まらないが、冒険者カードのランクの欄でふと気になる所を見つけた。
「ん?あの、すいません。ランクってここから始まるんですか?」
俺は気になったことを受付嬢に聞いた。
「はい。皆さんそこからのスタートになります」
笑顔で答えくれる受付嬢。俺は再度冒険者カードを見てため息を吐きたい気持ちを抑える。
「Eランクって…、一番下じゃん」
ここから期限付きでAランクまで上がれって…、俺は早くも待ち受ける苦境に逸る気持ちはどこかへ飛んでいってしまった。
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