16話 謁見
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王家と七紋家の話を聞いているともう王宮の前に着いていた。
この国の中心にある壮麗な城、近くで見ると迫力ある力強い建物だ。外見を意識していたフォルネ帝国の王宮とは違い、こちらのはある程度の綺麗さとそれ以上に戦術的な要素を重要にしている感じだ。
城を取り囲む高く分厚い城壁、上に蓋をするように薄っすらと膜のようなものが貼ってある。
魔法障壁というものらしい。
そしてその魔法障壁はある一つの塔から中心に展開されている。それはルリナの家にもあった塔と全く同じものだった。
目の前には城壁と木で出来た大きな門があり、その門には王家の家紋とおもわれる紋様が描かれている。
そして門兵が馬車から降りた俺たちのところへやって来た。
「お待ちしておりました!銀の魔女様!女王陛下がお待ちです。どうぞ中へ」
どうやらもう連絡は受けていたようでスムーズに門をくぐることができた。
そして王宮の前に八人ほどのメイドと一人の老年な執事が丁寧に迎えてくれた。
「インヴィディア様、本日は陛下への謁見ということでよろしかったですかな?」
「ええ、そうよ」
「ではこのまま陛下の下までご案内します。準備の方は整っておりますので」
俺たちは執事の後ろをついて行く。メイド達は少し間を空けて俺たち三人の後ろを歩いていた。
王宮の中はそれなりの調度品が置かれていたり、赤い光沢のある絨毯がどこまでも続いて敷かれていた。
シャンデリアが間隔を空けて吊られている。王宮というだけあって豪華な内装に俺はとても落ち着かなかった。
「ちょっと、ソワソワしないでよ」
「仕方ないだろ。こんなとこ初めて来たんだから」
横で挙動不審になっていた俺にルリナは悪態を吐く。
腐っても七紋家の令嬢、その様子からは緊張なんて色は全く見えなかった。
「…ん?なんかお前汗かいてね?」
よく見るとルリナは額に汗をかいていた。
「なに見てんのよ。暑いから汗ぐらいかくわよ」
今の気温は秋の中頃といった感じで、肌寒いくらいだから暑いなんて感想は今でるような言葉じゃなかった。
「お前も緊張してんだろ?」
「……さっきからお前って言わないでよ。あたしはあんたの主人であたしの庇護下なのよ」
話を逸らしたあたりどうやら図星のようだ。
軽いやり取りをしているとこれまた意匠の凝らした高級そうな扉の前までやって来た。
「この先に女王陛下がお待ちになっています。どうか粗相のないようお願いします」
執事の言葉は俺に向けられた言葉な気がした。
そして扉が開き右側の目立たない所に大臣や文官が立っており、九人ほどの鎧を着た騎士が並んでいた。
真ん中の奥に唯一この空間で座っている女性がいた。
エイナさんよりかは少し年上の金髪のロングヘアで美人だが顔少し鋭く、気が強そうな人だった。
そのすぐ側に軍服のような服を着た壮年な男が泰然として構えていた。
その男からは闘気が滲みでており、プレッシャーを感じた。
軍服で女王のすぐ側に立つってことはこの国でも指折りの実力を持った護衛兵ということだろう。
エイナさんが俺とルリナの前を歩いて女王との一定の距離まで近づくと、そこで跪いた。
それに倣い俺も跪くことにする。
「此度は謁見の申し込みを受けていただきありがとうございます。女王陛下」
「よい、頭を上げよエイナ殿」
慣れたように切り出された謁見が始まった。
そのまま女王はエイナさんに質問を投げる。
「それで本日はどういった用件なのだ?」
それにエイナさんは跪いたまま答える。
「はい、此度のフォルネ帝国との戦争にて重要な情報を入手したためご報告に参った次第です」
「それは書面で出来ぬような情報なのか?」
「おそらく書面では信用に足るかどうか難しいことと判断いたしました」
女王は怪訝な様子でエイナさんを見る。
「其方の情報が嘘だとは私は思わないんだが…」
「その情報を提供してくれた者がいます」
そこで女王の眉がピクリと動く。そこで何やら納得した様子になった。
「なるほど。其方が信用されていてもその情報源が我らに信用されるかはまた別問題になるからか」
エイナさんは静かに頷いくと、おもむろに立ち上がる。
「彼がその情報を提供してくれたカナタという男です」
エイナさんは女王に俺を紹介した。すると女王は鋭い視線を俺に向ける。警戒というより値踏みするように見つめられる。
「その者、カナタと言ったか…、貴様の持ってきた情報はどういったものだ?」
俺は手汗を滲ませ緊張しながらも質問に答えた。
「あ、あの俺…、私の持ってきた情報は帝国の主戦力とその規模、そして帝国が攻めてくる日程です」
つっかえたがなんとか伝えることが出来た。周りの雰囲気がピリピリとしてる本当に居心地ご悪い。
畏まって私と言ったがその前に俺と言ってしまったせいか、横に並んでる大臣らしき人から睨まれてる。
その上、騎士たちからも不機嫌な感じがした。
「ほぉ…、貴様は何者でどこから来た?そしてどのようにしてそんな情報を手に入れた?」
女王は感心をしたがそれも一瞬で、すぐに疑念をぶつけてきた。
「私は数週間前に帝国で召喚された勇者の一人で、帝国から他の勇者達と決別してここに来ました。情報は……俺の見て感じたことからです」
そしてしばらくの間、沈黙が空間を支配する。
そんな中女王は更に怪訝な面持ちで睨む。
「では貴様は"帝国の勇者"で帝国を裏切ってこちら側にきたと、そう言いたいわけだな?他の勇者の情報を提供することがその証明になると?」
「はい、そうです」
跪いたまま泰然として答える。
ここで女王に信用されなければ俺の今後は大きく変わる。最悪なのはスパイとして追われることだ。二つも国を敵に回して生きていくなんて出来ない。ましてや俺は不死身。永遠に体を弄られてしまう。そんなの真っ平ごめんだ。
少しの間を空けて女王は口を開いた。
「…貴様の話を聞こう」
そこから俺は簡潔に帝国でどんな扱いを受けたかを話した。四肢を飛ばされたり、胴体とおさらばしたり、碌な食事も出されなかったこと、他の勇者は誰も助けてくれなかったことなど、どれも事実のため中々に生々しい話に流石の女王や周りの連中も嘘ではないと思ってくれたみたいだ。
「まあ…その、帝国では辛い日々を送っていたのだな」
女王は優しくフォローをいれてくれた。きっと帝国の話をしていた俺のテンションがみるみる下がっていったりしたからだろうか。
「じゃあ本題に移ろう。貴様の情報を教えろ」
強い口調で言う女王に俺は憎っくき帝国の情報を教えた。
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