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クラスの一軍女子を助けた。隣の君に恋をした。  作者: 山田 太郎丸


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38.正ヒロインと恋愛観

閲覧感謝です

 



 孝介さんに僕の住むマンションまで送り届けてもらい、互いに感謝を伝えて帰宅する。月奈も追加で荷物を取りに、孝介さんと一緒に帰って行った。


 月奈が戻ってくるまで少し時間があるので、僕は布団を家に置いてからもう一度外出する。月奈がいないうちに済ませておきたい用事があったので、それを先に終わらせる。

 スーパーはまだやっていないので、近場のコンビニで夕食を調達してから帰宅する。


 玄関に靴は無かったのでまだ戻ってきていないはず。もうお昼は過ぎてるし、有り合わせの材料で昼食を準備していると、チャイムが鳴ったので玄関に向かう。

 扉を開ければ、多すぎるくらいの荷物を持った月奈がいた。




「ふぅ、ただいま〜」


「ちょいちょい。荷物が少し多くないかい?」


「そんなことないと思うけど。だって半分はぬいぐるみだし」


「大きいね…。僕のことを抱き枕代わりにする訳だよ」


「あはは、ごめんて。てかさっきから良い匂いしまくってヤバいんですけど。お昼作ってくれたの?」


「何も食べないのはちょっとね。夕飯はコンビニ飯だからお昼くらいはと思って」




 それを聞いて月奈は大げさに喜んでいる。僕の料理がそんなに美味しいことはないと思うんだけど。慣れてきたとはいえ、料理の腕は所詮一人暮らしの域を出ないから。


 ちなみに作ったのはチャーハン。何か温かいものをと、付け合わせに中華風たまごスープも。個人的には得意な部類のメニューだ。




「やっぱ美味すぎるっしょ。お姉ちゃんには悪いけど、真琴くんの料理の方が美味いわ」


「身内に対して厳しいね。陽奈さんも頑張って作ってくれてたんでしょ?」


「まあね。お姉ちゃんには感謝してるよ。自分の勉強もあるのに毎日作ってくれたんだもん。でもそれとこれとは別。隠し味とか入れてる?」


「そんなことできるほど料理は得意じゃないよ。強いて言うなら、月奈が美味しそうに食べてくれるからちょっとだけ気合いが入ってるくらいかな?」


「まーたそういうこと軽々しく言う。それ、他の女の子に言っちゃダメだかんね?」



 チャーハンをかき込みながら、月奈はそう言う。誰にも言わない…というか僕の料理を食べてくれる女子なんて月奈以外いないと思うけど。



「なんで?」


「なんでも。てかチャーハン美味しすぎ。マジ止まらん」


「語彙力が死んでる…」


「勝手に殺すな。…仕方ないでしょ、最近出前かコンビニだったんだから。誰かの手作り料理とか久しぶりなんだって」



 なるほど。それは僕でも美味しく感じるかもしれない。毎日出前じゃ味気ないよね。


 僕も節約のために始めた自炊だったけど、こんなにも喜んでくれる人がいるのなら毎日だって苦じゃないな。



「うーん、前言撤回。やっぱ養われてもいいかも」


「勘弁してよ…」


「……真琴くん、ありがとね」



 月奈は目を細め、真琴に感謝を述べる。当然、食事への礼ではない。

 真琴の言葉が無ければ成し遂げられなかった、親子関係の修復についてである。



「キミが無理やり引っ張り出してくれなかったら、今日のことは一生起こらなかった。お父さんも改めて礼を伝えてくれ、ってさ」


「……僕は本当に大したことはしてないよ。僕の方こそあの日、月奈が文化祭に出すために説得してくれなかったら、月奈と関わることは無かったよ。だからこれは月奈自身の力だよ」


「それを言ったら美波の功績でしょ。あの子がキミと出会ったから、あたしもキミに興味を持った。ほんっと、敵わないよ。あの子には」


「美波には人を惹き付ける力というか、不思議な魅力があるよね。それは月奈も同じだと思うんだけど」


「ナイナイ。あたしにはそんな力ないって。みんな美波目当てで近寄って来るんだから、あたしに興味がある人なんていないデショ」


「僕はそうは思わないよ。そういった話に詳しいわけじゃないけど、月奈のことを魅力的に思ってる人がいるのは知ってるし」



 こういう話を本人に直接するべきではないんだろうけど、なんとなく話した方がいい気がしたんだ。

 月奈はどうにも自己肯定感が低い節がある。それは家族関係が原因だって知ったけど、長く染み付いたものはそう簡単に取れはしない。


 月奈にはもっと自分を好きになってもらわないと。そのために僕が出来ることはなんでもやろう。



「あんまり言わない方が良かったんだろうけど…」


「気にしなくていいでしょ。あたし、誰からの告白も受けるつもりないし」


「そうなの?」


「だってキミたち以外の男子ってつまんないんだもん。真琴くんぐらい家事ができるなら考えなくもないけど」



 一般的な男子高校生にそれを求めるのは無茶じゃないかな…。



「ちなみになんだけど、月奈って家事できるの?」


「少しなら。でも料理は苦手だから、お姉ちゃんとか真琴くんが美味しいご飯作ってくれるの、ちょっとだけ羨ましいんだよね」


「僕でよければ教えようか?」


「マジ?めっちゃ助かる!じゃあ早速明日のお昼…は食材がないか」


「近くのスーパーは明日から開くから、晩ご飯は一緒に作ろうか」




 嬉しそうに返事をする月奈。そんなに料理ができるようになりたかったのかと、真琴は少しズレた感想を抱いていた。




具体的なことは言えないのですが、少しだけ更新頻度が落ちるかもしれません

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