おとめに贈り物?
場所は変わってここは黒谷の侍女部屋ーー
会津藩 黒谷のお屋敷・侍女部屋にてーー
「ねぇ、この贈り物の山は何?」
「さあ……噂によると新撰組の方かららしいわ」
「新撰組!?あの危険な浪士たちで有名な……」
「怖いわねぇ、どこに何が仕込んであるかわからないわ。あなた改めてよ」
「嫌よ!あなたがやってよ」
ここは侍女の部屋。主に姫様のための贈り物を検分することを目的とした部屋だ。
会津藩主の御正室、敏姫様は政治において目立つ事はないが、回復してからというもの容保公の寵愛もさらに厚くなった。
その隙を狙う不届きものがいるかもしれないので、こうして検分が行われているわけだが……
血気盛んな壬生浪士組からの贈り物と聞いて、すっかり侍女たちは恐れてしまっていた。
とめはその様子に呆れた。
「全くだらしないね!どいつもこいつも姫様への忠義が足りないよ!改めは私がやる!贈り物を持っといで」
侍女たちは「姐さん……」と瞳を潤ませて尊敬し、しずしずと贈り物を運んできた。
「あれ?文がある……宛先は……『おとめさんへ』?」
えっ?私あて?
「お姉様!!この着物もこのお菓子もこのお花も、よく見たら全部お姉様宛てですわ」
「なんだってぇ!?差し出し人は!?」
とめは何故か半ギレだった。
「お姉様、素直に喜べばいいのに……」
「喜べないよ!とき、今から壬生屯所に行ってくる」
ときと呼ばれた侍女は慌てた。
「えっ壬生の屯所にお姉様一人で!?無謀です!絶対生きて帰ってこれませんわ」
「平気平気!この間だって虎之助を担いで一人で行って来たんだから!それに護衛なら大丈夫、多分熊二人がついてくるから」
「熊二人……??」
ときはわからないと言った感じで首を捻っていた。
「あんたは大人しく黒谷にいること。いいね!とき!」
「……は、はい!お姉様……」
(熊二人って誰のことなんだろう?)
おとめは何故怒っていたのでしょうか。
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