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もう一度、あなたと。  作者: 杉野仁美
第十一章 屯所に吹く新たな風

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沖田が殺気を制御した記念日

敏姫が帰った壬生の屯所は、何故か宴会ムードになっていた。

 壬生屯所ーー敏姫が帰ったあと……


 近藤の部屋は何故かちょっとした騒ぎ(宴会)になっていた。


 まず先陣を切って永倉が酒を飲み始め、斉藤もそれにしれっと参加。


 土方は真面目に警備に戻るかと思ったが、近藤と途中でやめていた囲碁の準備をし始めた。


 近藤だけが何が起こっているかわからず呆然として、沖田はみんなに背中を背けている。


「総司!今日はお前が『殺気を制御した記念すべき日』だ!さあ遠慮せずに飲め!」


 永倉が祝杯と言わんばかりに盃を挙げる。


「殺気を制御……そうか!敏姫様がおっしゃっていたのはこのことだったのか!新八、俺にもくれ!俺も参加するぞ」


「局長は悪酔いするから俺と囲碁です。それにまだ金返してもらってないです」


 土方がそう言いながら淡々と碁盤を用意する。


「馬鹿言ってんじゃねぇぞ歳三!今日は『総司が殺気を制御した記念すべき日』なんだぞ!のんびり囲碁なんか打てるか!」


「ぷくく……近藤さんってまるで総司の保護者みたいっすね」


 永倉が飲みながら軽口を叩く。


「……当然だろ?あの総司が殺気を制御できたんだぞ?」


 それのどこに保護者要素が?とでも言いたげに近藤は首を傾げた。


「局長は俺ら一人ひとりのことはどうでも良いのに、総司のこととなると途端に保護者になるんですよ」


 本人は気付いてないみたいだが。


「そ、そうか?//そう言われるとなんだか照れるな」


 土方にそう指摘されて、近藤はまんざらでもない様子で首の後ろをかいた。


「なんでそこで照れるんすか!!」


 永倉のツッコミに、近藤が笑ったその時ーー


「……やめてくださいよ、祝杯だなんて大袈裟です」


 沖田がこちらに背を向けたままで声を落とす。


「それに僕ほどの使い手なら殺気の制御なんて赤子の頃から備わってます」


「そうかぁ?そうだったかなあ?仙川の時期の総司はそれはそれは……」


「近藤先生、それは過去のことです」


 思わず振り向いてしまった沖田の顔は酒も飲んでないのに真っ赤になっており。


「総司おメェ……」


 沖田は思わず顔を覆ったが間に合うはずもなく。


 《私は沖田さんを信じています。どうか、敏の友のままでいてくださいませ》


 敏姫の言葉で思わずニヤけてしまった顔もみんなに見られたわけで。


「…………//」


 沖田は観念したように手を顔から離した。


「はっはっは!やっぱ祝杯をあげなきゃな!」


 豪快な永倉の笑いと共に。


 ほらほら、という感じで沖田に盃を渡したその時ーー


「お邪魔するよー」


 敏姫とはまた違う、明るく聞き慣れた声が聞こえてきた。


私の物語の新撰組の皆さんは、それぞれが自由に行動するのでまとめるのが大変そうですね。


最後まで読んで頂きありがとうございました。

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