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もう一度、あなたと。  作者: 杉野仁美
第十章 酒と祭りと不穏な影

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覚悟を決めているのはこちらも同じ

沖田を相手に、女おとめは一人で立ち向かう。

負け戦なのは百も承知で挑んだが……

 向かってくる沖田に備えて私が短刀を構えた時ーー


 沖田の刀が抜かれる前に止まった。


「総司……そう簡単に刀を抜くなと言っただろう?」


 沖田の右腕を土方さんがそっと制し。


「……総司、やりすぎだ」


 斉藤が沖田の背後に立つ。


「おとめさん、大丈夫ですか?」


 永倉は私を庇うように立ちはだかって。


 沖田の真剣を抜かせる前に止めてくれたのは……

 先程まで酔って寝ていた熊三人。


「あ、あんたたち!酔い潰れたんじゃなかったの?!」


「あんな殺気出されたら飛び起きますって!それよりおとめさん、よく平気でしたね」


「……あんな殺気をもろに受けて立ち向かうとは……」


「総司の殺気をもろに浴びて、可哀想に……」


 そう言って土方さんがそっと抱きしめてきた。


 いや、土方さんだけなんか心配の方向性が違う!酒抜け切れてないだろう!


「……い、いや、私も必死で……」


 あれ?今までは平気だったのに急に足が……体が震えてきた。


 ふと足元を見ると、虎之助が相変わらず爆睡中。


「い、いいんだ……私は……この黒谷を、血で汚すわけには……」


 やべぇ!

 意識が……


「……!!」


 まいったねぇ。珍しく焦ってる斉藤の顔がもっと見たいのに。


「おとめさん!!」


 永倉が本気で私を心配してる姿をもっと見たいのに。


「……ッ、おとめさん!しっかり!」


 土方さんの腕の中をもっと堪能したいのに。


 薄れていく意識の中じゃ、全部台無しだ。


黒谷を守る覚悟は浪士組も決まっています。

さっきまで酔っ払っていたのに、沖田の殺気で飛び起きてそれぞれちゃんと役割が決まるのがかっこいいですね。


沖田はまだ若いので未熟です。


最後まで読んで頂きありがとうございました。


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