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もう一度、あなたと。  作者: 杉野仁美
第十章 酒と祭りと不穏な影

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泣き上戸の虎之助

応接間には新撰組のメンバー、永倉、斉藤、土方、沖田が揃っていた。沖田以外はとめに負けたと聞いて、虎之助は驚く。

 数刻後ーー応接間にて。


「待たせて悪かったね。入りな」


「お、お邪魔します!あれ……?皆さん」


 虎之助の目の前には斉藤と永倉、土方さん、それに何故か沖田。


 沖田以外は皆私に負けた男達。


 虎之助の話を聞いて、急きょ参加することになったんだ。


「いいだろ?虎之助」


「と、とめ、おメェまさか負かせたのか?永倉さんまで??そ、それに土方さんがいる!!」


 土方さんが虎之助に気付き、ぺこりと頭を下げる。


「……?それがどうかしたのかい?」


 私は金魚みたいに口をぱくぱくさせるだけの虎之助をほっぽって、早速飲み比べを始めた。


「ただの飲み比べじゃつまらないね!ルールを設けようじゃないか。水を飲んだら負け。これでどうだい?」


 そのかわり、つまみは食べてもいいことにする。

 私は味噌田楽と枝豆。

 焼きするめに、沢庵と土方さんが用意した焼き魚。

 あとは永倉が屯所で作って持ってきたお鍋!


「乗った!」


「……俺はなんでもいい」


「むしろ好都合だ」


「ええ〜……水飲めないのかぁ」


 沖田は最初から参加しないで見物……、いや観察か?に徹するらしい。


「じゃあ第二回!おとめさんリベンジ飲み比べ大会、開催!!」


 永倉の号令を皮切りに各々乾杯をする。


「おお!虎之助が持ってきた酒うめえじゃねえか!」


 永倉がもう顔を赤くして虎之助に絡みに行く。


 斉藤は無言で、時々枝豆をつまみながら黙々と飲んでいる。


 土方さんはというと、黒い羽織りが肩までずれ、なんか色気がすごい。


「熱くなってきたな……」


 と着物の襟元をパタパタ。

 いや飲み比べで色気が増してどないすんねん!


「ふぇぇ……もう飲めないですぁ。グスッ」


 酒を持ってきた虎之助が一番に根を上げた。

 いや、そこはもう少し頑張ってくれよ……


「俺ァ……ひっく、実は土方さんに憧れてたんだ、新撰組一男前で……鬼の副長で……かっこいくて……へひひ……」


「……俺に?」


 ダメだこりゃ。虎之助の酒の弱さは異常だね。

 しかも酔うと誰に対しても軽口を叩くときた。

虎之助は土方さんに憧れています。


最後まで読んで頂きありがとうございました。

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