泣き上戸の虎之助
応接間には新撰組のメンバー、永倉、斉藤、土方、沖田が揃っていた。沖田以外はとめに負けたと聞いて、虎之助は驚く。
数刻後ーー応接間にて。
「待たせて悪かったね。入りな」
「お、お邪魔します!あれ……?皆さん」
虎之助の目の前には斉藤と永倉、土方さん、それに何故か沖田。
沖田以外は皆私に負けた男達。
虎之助の話を聞いて、急きょ参加することになったんだ。
「いいだろ?虎之助」
「と、とめ、おメェまさか負かせたのか?永倉さんまで??そ、それに土方さんがいる!!」
土方さんが虎之助に気付き、ぺこりと頭を下げる。
「……?それがどうかしたのかい?」
私は金魚みたいに口をぱくぱくさせるだけの虎之助をほっぽって、早速飲み比べを始めた。
「ただの飲み比べじゃつまらないね!ルールを設けようじゃないか。水を飲んだら負け。これでどうだい?」
そのかわり、つまみは食べてもいいことにする。
私は味噌田楽と枝豆。
焼きするめに、沢庵と土方さんが用意した焼き魚。
あとは永倉が屯所で作って持ってきたお鍋!
「乗った!」
「……俺はなんでもいい」
「むしろ好都合だ」
「ええ〜……水飲めないのかぁ」
沖田は最初から参加しないで見物……、いや観察か?に徹するらしい。
「じゃあ第二回!おとめさんリベンジ飲み比べ大会、開催!!」
永倉の号令を皮切りに各々乾杯をする。
「おお!虎之助が持ってきた酒うめえじゃねえか!」
永倉がもう顔を赤くして虎之助に絡みに行く。
斉藤は無言で、時々枝豆をつまみながら黙々と飲んでいる。
土方さんはというと、黒い羽織りが肩までずれ、なんか色気がすごい。
「熱くなってきたな……」
と着物の襟元をパタパタ。
いや飲み比べで色気が増してどないすんねん!
「ふぇぇ……もう飲めないですぁ。グスッ」
酒を持ってきた虎之助が一番に根を上げた。
いや、そこはもう少し頑張ってくれよ……
「俺ァ……ひっく、実は土方さんに憧れてたんだ、新撰組一男前で……鬼の副長で……かっこいくて……へひひ……」
「……俺に?」
ダメだこりゃ。虎之助の酒の弱さは異常だね。
しかも酔うと誰に対しても軽口を叩くときた。
虎之助は土方さんに憧れています。
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