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もう一度、あなたと。  作者: 杉野仁美
第一章 奇跡が起こった夜

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二人、肩を並べて。

「……私が敏に贈りたいのだ」


「殿……//」


 侍女がそっとかんざしを受け取り、敏姫の後ろに回る。


「失礼いたします」


 髪に差し込まれる感触。それは軽いはずなのに、不思議と確かな重みを感じて。


「……」


 姫様は、そっと容保様を見る。容保様はわずかに目を細めた。


「……やはり似合うな」


 一言だけそう言うと、容保様は微笑んだ。

 えっ?あのクソ真面目な容保様が笑った!?しかもとびきり優しい笑顔!


「……殿、嬉しいですわ。このかんざし、敏姫の一生の宝物にします」


(嬉しい……夢だったの。こうやって殿とデートして……二人で肩を並べて)


 胸の奥が、静かに熱くなる。


 敏姫はそっとかんざしに触れた。


 その様子を、少し離れたところから見ていた者たちがざわめく。


「今のご覧になりまして!?」

「あの殿が……自ら贈り物を……!」

「しかも“似合う”と……!」

「これは大変なことでございますぞ……!」


 なんだ?私以外にも気になって見に来てる人が結構いたんだ?


「ふふ、そっかそっか」


 私は思わず吹き出してしまった。


 ーーこのお二人は、こんなにも慕われているのだと。

 それを思うと胸が熱くなった。


 だが当のお二人は、そんなことなど気にも留めていないみたい。


 だってさっきからずっと、お二人にはお二人しか見えていないもの。


「敏、冷えてはおらぬか」


「はい……でも、今はとても温かいです」


「……そうか」


 風が静かに吹き抜ける。


 かんざしが、かすかに揺れた。

実際の容保様はあまり話さないようでしたが、この物語の容保様はよく話します。


最後まで読んで頂きありがとうございました。

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