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もう一度、あなたと。  作者: 杉野仁美
第九章 黒谷に吹く新たな風

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屯所で大騒ぎ再び

今度はまた敏姫が壬生屯所に行きたいと言い出した。とめは嫌な予感がしながらも押し切られてしまい……

「ねぇとめ!お願いがあるの!」


 姫様がまた目を輝かせて聞いてきた。

 こんな時は大抵ろくなことじゃない。


「ダメです。どうせろくな事じゃないでしょう?」


「次は大丈夫よ!行った事あるところですもの」


 行った事あるところ?川辺かい?


「……どこですか?」


「熊さん達の働いているところです!」


「絶対にダメです!!」


 * * *


 ーー壬生屯所の台所にて。


(結局押し切られて来てしまった)


 一応容保様に聞いたところ、護衛(熊二人)と私がいればいいそうで……


『敏が興味を持った事はなんでもやらせてくれ……つい先日までは息をする事もままならなかった身だ……』


 ですってよぉ〜!甘い甘い!容保公は敏姫様に甘すぎる!


 で、その姫様は今何をしているかというと……


「ここが熊さん達のお料理を作っているところなのね!」


 姫様が目をキラキラさせている。


 あー嫌な予感嫌な予感嫌な予感!!


「今日の献立は何ですの?」


「……特に決まってはいない」


「当番ごとに違うけど、俺の組が担当の時は鍋が多いな」


「そうなんですのね」


「よかったら作ってみます?」


 見学だと言うのに、永倉が余計な事を言ってきた。そんな事言ったら姫様が興味を持つだろ!


「永倉ァ!余計な事を言うんじゃない!!」


「いいんですか!永倉さん!」


 あーもー!興味を持ってしまったじゃないか。

 私がそう頭を抱えた時……


「……ふっ……」


 微かな笑い声のした方を見ると。沖田総司が少し離れたところでこちらを見ていた。


 いやだからなんでいつも気配を消してるの!


(混ざりたいならそう言えばいいのに……)


この物語の壬生の台所は当番制です。


最後まで読んで頂きありがとうございました。

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