姫様とかくれんぼ
とめの昔馴染みらしき男、薬売りの虎之助がやってきて、敏姫の回復祝いの菓子を持ってきた。
姫様はどうやら斉藤と永倉相手にかくれんぼをしているようで……
いつのまにいたのだろう。沖田総司が私の後ろに立っていた。
なんでこの人すぐ気配を消すのよ!
「沖田!びっくりしたァ!いい加減気配を消して来るのなんとかしてよ」
「……これは僕の癖みたいなのでなんとかしようがないです」
つまらないと言った感じで、沖田は首の後ろをかいて。
視線は明らかに敏姫様の気配を探していた。
そんなに気になるかい!
「沖田?ひょっとして新撰組の……?」
そこで初めて虎之助に気がついたのか、沖田がこちらに視線を向ける。
「……誰?」
「私の幼馴染の薬売りだよ。姫様の回復祝いを持って来てくれたんだ」
「ふぅん……ねぇ、ところで姫様は?」
私と虎之助には興味ないってか!
ひょっとしてこの人、めちゃくちゃわかりやすいのでは??
私たちにはてんで興味ないの丸わかりだし……
「姫様なら熊二人とかくれんぼの最中だよ。これから見つけてあげるんだ」
「……ふーん……」
「沖田も参加するかい??」
「だ、誰が?//僕はそんな俗っぽい事には参加しない!」
「そんなムキにならんでも……ねぇ虎之助?」
ふと見ると、虎之助は俯いていた。固く握られた拳が若干震えている。
「虎之助?どうしたのさ……」
「……俺はこれで。また来るよ。姫様によろしくな!」
そう言って虎之助は慌てて帰って行った。
「どうしちまったんだろうね。ひょっとして厠だったのか?はっはっは」
「…………」
「さて、姫様を見つけるかねぇ〜?!」
黒谷のお屋敷は広い。
本気で隠れられたら日が暮れちまう。
こっちも本気で探さなくては。
果たしてとめと熊二人は姫様を見つけることができるのか!
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