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もう一度、あなたと。  作者: 杉野仁美
第八章 敏姫と屯所と

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屯所でお洗濯

場所は変わって壬生の屯所にて。

敏姫は山盛りの洗濯物を見て感嘆の声をあげる。

 場所は変わってここは壬生屯所ーーの台所。


 容保様に言ったら「敏がそれで喜ぶならさせてやってくれ//」だって。

 

 全くあの方も大概姫様に甘いんだから!


 男子ばっかりの場所に姫様(と私)だけで行かせていいんかい!


 って思ったけど……そもそも姫様の護衛が剣を抜かせたら誰も敵わない熊二人だったわ。


 だから容保様も安心しているのね……


「まあ!すごいわ!熊さん達の台所ってこんな風になっていますのね。とても可愛いです。おしくらまんじゅうみたい」


 姫様は山積みになっている浪士達の洗濯物を指して言った。


「ありゃ、山積みになってるじゃないか。当番の人はいないの?」


「……今日は確か一番隊の番だったが……」


 斉藤はチラッと沖田の方を見る。沖田が一番隊組長だからだ。


 てか沖田もついて来てたんだ……


「……僕は知らないですよ。逃げたんじゃないですか?」


「逃げたってお前なぁ」


 永倉が呆れたように言う。


「まあ……そうでしたの。沖田さん。でしたら私が代わりに洗います!」


 そう言うと姫様が腕まくりをし始めた。姫様の白くて細い腕が顕になる。


 洗濯物など無縁の腕。


「絶対にダメです!姫様は洗濯なんてした事ないでしょう?洗濯物の重さも知らないでしょう??」


 私が矢継ぎ早に言う。


「そ、そうなの?そんなに重いの?」


「がははは!まあ軽くはないわな!姫様一人に任せちゃ申し訳が立たねぇ。俺たちも手伝いますよ。なぁ斉藤?」


「……ああ」


 斎藤が短く頷く。


「じゃあ決まりだな!」


 永倉は豪快に笑うと、山積みの洗濯物をどさっと抱え上げた。


「姫様、まずはこれを桶に入れてーー」


「はい!」


 敏姫様は嬉しそうに袖をたくし上げる。


「ちょ、ちょっと姫様!?そのお着物でやる気ですか!?」


 私は悲鳴を上げた。


 だって今日の姫様、淡い桜色の上等なお着物なのよ!?


 絶対洗濯向きじゃない!!

ちなみに敏姫様は会津藩主松平容保の御正室なのでお召し物は普通に高いです(汗)


最後まで読んで頂きありがとうございました。

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