沖田の八つ当たり
壬生屯所にてまたも沖田は藁束をめちゃくちゃに斬っていた。そこへ永倉が現れて……
ある晴れの日、壬生の屯所にてーー
「総司、探したぞ〜」
「……何すか永倉さん」
刀を納めながら沖田は仕方無さそうに答える。
沖田の周りには相変わらず沖田に斬られた藁束が山積みになっていた。
それを見て永倉は呆れた。
「おいおい、山南に言われて八つ当たりはやめたんじゃなかったのかお前ェ」
「……仕方がないじゃないですか。自分でもわからないんですから……」
自分の思う通りにいかない人間がいる。
そのことがどうしても沖田の心をかき乱した。
「あの世間知らずの姫様……」
何故、僕を恐れない?
何がそんなに楽しいんだ。
何をそんなに笑っている?
つい先日まで、病で伏せっていたはずなのに。
心ない他人の言葉を、そばで聞いていたはずなのに……
『殿!驚きました?』
「どうしてあんなに笑っていられる……?」
『やりましたわ!』
「わからない……」
「なんだ、まだ敏姫様のことでウジウジしてんのか?」
ピクッと、沖田の肩が揺れた。
「あのお方の事情はもう聞いたろ。あのお方は今何でも楽しいんだ。それで良いじゃねえか。生き直して楽しむくらいーー」
スッ!
「……永倉さん、黙って……」
いつのまにか沖田は刀を抜き、その切先を永倉の喉元に向けていた。
「…………総司お前ェ」
沖田は殺気を抑えようともしていない。他の浪士たちはその殺気に恐れをなして奥に引っ込んでしまっていた。
その様子を見て永倉は長いため息を吐いた。
「……ったく……しゃあねぇな。総司には言葉より、こいつの方が手っ取り早いか」
そう言いながら永倉は竹刀を沖田の前に差し出した。
沖田はしばらく竹刀を見つめていた。
やがて。
「……後悔しても知りませんよ」
そう呟き、永倉から竹刀を受け取る。
かなり沖田は荒れているけどなんとかなるかな?汗
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