永倉新八の考え
再び容保と斉藤の視線が盤上に降りた。
永倉は何の気なしに沖田の事を話すが……
※改行多めです、すみません。
――コト……
再び碁石の音が落ちる。
しばらく静かな時間が流れた後。
「……総司もですよ」
不意に永倉が言った。
「ん?」
「今日のことです。最後、あいつなりに空気読んでましたからね」
「……」
容保の手が止まる。
「総司はわかりにくい奴ですが」
永倉は盃を傾けながら続けた。
「馴染もうとはしてますよ。あいつなりに」
「……そうだと思いたいが」
容保の声音が少し低くなる。
「先日、敏と沖田が話していた時のことだ」
いつも側にいるとめは不在中のことだった。
部屋の空気が変わった。
斎藤が静かに顔を上げる。
永倉も、酒を持つ手を止めた。
「……敏が、沖田に頭を下げていた」
「……」
「敏は『忍び足の練習です』などと言っていたが……」
容保は苦く笑う。
「そのような訳がない」
「……まあ、でしょうねぇ」
永倉が頭を掻いた。
「あの姫様、嘘つくの下手ですし」
「……だが」
容保は視線を落とす。
「敏は、沖田を庇った」
その一言に、永倉の顔から少し笑みが消えた。
「……総司のやつ、何かやりましたかね」
「わからぬ」
容保は静かに首を振る。
「敏は話したがらなかった」
「……」
「だからこそ、気になる」
部屋に静寂が落ちる。
やがて。
「……なら」
永倉がにやりと笑った。
「俺が探ってきましょうか?」
「新八」
すかさず斉藤が止めに入る。ただでさえ扱いの難しい沖田をこれ以上刺激するなと言いたいのか。
永倉には何か考えがあるのでしょうか?
最後まで読んで頂きありがとうございました。




