敏姫に甘い浪士達
急遽敏姫のための忍び足の講座が開かれた。
とめは相変わらず嫌な予感がしていたが……
「おしい!」
と永倉が笑って。
「もうちょいこう、足の裏を滑らせる感じで!」
「……こうだ」
今度は斎藤が、すっと一歩踏み出す。
音が、しない。本当に、しない。
(なに今の!?怖っ!!)
「……地面を踏むな。触れるだけだ」
「触れる……」
敏姫様が再び挑戦する。
ーーす……ぺた
「……ど、どうかしら?」
「おお、さっきよりいい!」
「本当!?」
「もう一回!」
「はい!」
何度か繰り返すうちに――
す……ぺた……すーーぺた。
「……できましたわ!」
姫様の顔がぱっと輝く。
(いや、できてないよ!?)
「よし!」
「いいですねえ!」
熊二人が大きく頷く。
(甘い!!この人たちは姫様に甘すぎる!!いや、それはいいことなんだけどさ……)
その少し離れた場所で。
「……ふうん」
沖田が、柱にもたれながら様子を眺めていた。
この姫様、こんな大男二人に囲まれても怖がらないどころか……楽しんでる。
沖田の口元が、わずかに歪む。
「……変なの……」
すみませんちょっと短かったです。
この浪士二人にとって、敏姫様は可愛い妹みたいな存在です。
沖田は、まだわかりません。
最後まで読んで頂きありがとうございました。




