一方の豹魔は……
今回からはオリジナルキャラがメインのごった煮みたいな感じの話です(?)
お次は虎之助の兄、黒崎豹魔の様子を見てみましょう。
豹魔のアジト・嵐山のとある廃寺にてーー
「ああ……おときちゃん……」
俺は黒崎豹魔。
俺は生まれて初めて剣豪同士の斬り合いの中に割って入る一般人を見た。
殺気の渦の中に入ってくる人間を。
帯刀もしていない、武力を持たない無謀な人間をーー
それはあまりに可憐で、小さくて。しかも女子
「もしかして本当に運命かもしれない……」
少し歪んだかんざしを大事そうに握りながら。
白い肌。夏の風鈴のように耳心地の良い声。
間違いない。俺はあの時おときちゃんに恋をしたんだ。だっておときちゃんを思い出すだけでこんなにも胸が熱くて苦しい。
こんな感覚は初めてだ。
「うおおお〜!!おときちゃん!!好きだァァァァ!!」
*
「頭はあの斉藤とかいう新撰組の奴と剣を交えてから、どうにもおかしくなってねぇか?」
豹魔の郎党の一人、四方龍之介がため息混じりに肩をすくませる。
「頭〜!また三条に行きましょうぜ。あの界隈は盗みが捗るんだよ」
大塚玄馬がそう言って昼寝をしている塩見鵜月の鼻をつまんだ。
「ぶへっ!玄馬オメェ何しやがる!」
「お前がそんなところで寝てるから悪りぃんだよ」
それを聞いて鵜月が玄馬に擦り寄る。鵜月は線が細くて色も白く、今は着流しを着ているが、女性ものの着物を着るとまるで女子のようになるので潜入調査がある時などは女装している。
「ひょっとして玄馬心配してくれたのかぁ??」
「擦り寄ってくんな気持ち悪りぃ!」
対する玄馬は豹魔ほどではなかったが、筋肉隆々とした精悍な体躯だった。
龍之介は郎党の中でも一番落ち着いており、よく鵜月と玄馬の仲裁に入っていた。
「お前ら今日も仲良しだな、はっはっは!」
どうやら豹魔は初めての恋に戸惑っているみたいですね。放っておきましょう。
それだけおときさんが凄かったということですね!
最後まで読んで頂きありがとうございました。




