番外編・適当組のハロウィンパーティー④
「お菓子はどこだぁ!」
今度は椿が、黒いとんがり帽子を被ってまるで魔女のように鉤縄を使って台所に現れた。
手には木の匙。目の前には、出来上がったばかりの菓子が並んでいる。
「魔女だよ。どう?似合う?」
椿がそう言ってくるりと回る。赤い帽子に合わせた赤いローブが翻る。
「椿さん、素敵です!」
おときが拍手をする。
「えへへ〜!ところで、この菓子は味見をしてもいいの?」
「まだ駄目です!これはまだ完成してないんです」
小太郎が慌てて止めた。
「ええ?魔女は毒見をするものじゃないの?」
椿はすっかりノリノリで魔女になりきっていた。
「それは毒見ではなく、つまみ食いです!」
「えへへ!細かいことは気にするもんじゃないよん!いただきまーす!」
そう言って椿が匙を伸ばした時だった。
「椿!」
土方の声が飛ぶ。
「……何よ、吸血鬼さん」
振り返った椿の前に、黒いマントをまとった土方歳三が立っていた。
白い顔。鋭い目。口元には牙。
まさに吸血鬼である。
「菓子を勝手に食うな」
「吸血鬼が人の食い物に口を出すの?」
「俺は血しか飲まん」
「じゃあ、この菓子は私がいただくよん!」
「待て椿!先にお前の血を飲ませろ!」
「なっ!//いきなり何を言ってるんだ土方!」
「ああすまない、今土方とそこで飲み比べをしていたから、ちと酔ったのかもね」
おとめが悪びれる様子もなく酒瓶を持ち上げる。
「おとめさん、もぉ〜!!」
椿が顔をしかめた。飲み比べでおとめに敵うやつはいないというのを知っていたからだ。
「血を飲ませろ〜!!」
「やだ〜!!酔っ払い!」
椿は器用に鉤縄を使って酔っ払いの土方から逃げて、土方はその後を追う。まるで子どもの追いかけっ子だ。
おとめさんもしっかり楽しんでます。
最後まで読んで頂きありがとうございました。




