番外編・適当組のハロウィンパーティー③
「俺は今日、ゾンビとして生きるんだ!」
「ゾンビは生きていないだろ。全く何が『尻に敷かれていけねぇ』だ。永倉も斉藤のこと言えないじゃないか」
おとめの冷静な突っ込みが飛んだ。
*
「さて、料理の仕込みを続けますね。お菓子の仕込みもしないといけないから今日はちょっと大変かも」
小太郎はそう言うといつもどおり、たすき掛けをして台所へ戻った。
小太郎は仮装はしていなかった。
永倉の希望で、特別な衣装は用意しなかったのである。
「小太郎はそのままでいいんだ」
永倉はそう言ったが、仮装をして小太郎が女であることがバレるのが嫌だっただけだ。
「お前はいつも一生懸命に働いているだろう?今日は俺たちが騒ぐんだから、無理に着替えなくていい」
本当はただ小太郎が実は絶世の美女だとバレるのが怖いくせに。
永倉はあえてそんな事を言って格好をつけた。
「兄さん……」
小太郎は嬉しそうに微笑んだ。
「ありがとうございます。では、お料理をたくさん作りますね」
「ああ!」
(よし!俺は今、最高にいい事を言った!)
――なお、その後。
「兄さん、お皿を取っていただけますか?」
「もちろんだ!」
「こちらのお鍋もお願いします」
「任せろ!」
「すみません、そこのお砂糖を……」
「はいっ!」
気が付けば、ゾンビ姿の永倉は小太郎の手足となって働いていた。
「……新八。お前、仮装の意味あるのか?」
土方が呆れた声を出した。
「うるせぇ!俺は今、ゾンビの気持ちを理解しているところだ!」
「どんな気持ちだよ」
「愛する人のためなら何度でも蘇る気持ちだ!」
「はいはい」
おとめが聞き流した。
次は椿と土方さんかな?
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