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もう一度、あなたと。  作者: 杉野仁美
第四十三章・おとめとおときと斉藤と

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悪いのはすべて私

本編?に戻ります。

「ep.460頭ではわかっているのに 」https://ncode.syosetu.com/n1781mb/460

の続きです。


おとめは斉藤からおときを離し、小太郎(小菊)の小屋で世話をしていた。おとめは斉藤の「一目おときを見たい」という言葉を一蹴するが……

「……お姉様……」


「おとき!気がついたのかい!?」


 おとめはそう言って、目を覚ましたおときの手を握った。


 おときは綿入れ(布団)で体が温まったおかげか、いくらか顔色が良くなっていた。


 おときは心配そうにこちらを覗き込むおとめの顔を見た。かすかに震えているおとめの手も。


「……お姉様……悪いのは私。はじめさんは私を守ってくれました」


「えっ?」


 おときは豹魔の事を思い出していた。


(あんなにも怖くて、得体の知れない男の人にたった一人で立ち向かって……)


「はじめさんは何も悪くないんです。悪いのは全部わがままを言った私なんです」


 おとき……


 その時、おときはずっと手に握りしめていたかんざしを取り出した。


「……このかんざしを着けて、ちょっと着飾って街を歩いてみたかっただけなんです。私、一人で街に行った事がないから……」


「おとき……お前はなんて無茶な事を……」


 おときはおとめの方に顔を向ける。その目には、もう涙は浮かんでいなかった。


「だからはじめさんは少しも悪くないんです。悪いのは全部ときなんです」


 それでも、おとめはおときを説得しようと前のめりになった。


 おとめは今のおときを斉藤に会わせたくなかった。

 おときがこんな風になったのは斉藤のせいじゃないのは重々承知の上で。


 斉藤なら、もっと早くおときを守れたはずだという思いが強かった。


「でもおときはいつでも斉藤に守られていただろ。それに今回下手するとおときは汚されて挙句死ぬところだったんだよ!」


 おとめはそう言って身震いをした。


 おとめの言う事はあながち間違いではなかった。おとめは豹魔の事も、いかに豹魔が危険な男だという事も小太郎に聞いて知っていたからだ。


おとめさんの気持ち何となくわかるなぁ。

自分の妹のような存在が傷ついて着物も汚れて帰ってきて、やり場のない感情をどこにぶつけていいかわからないんですよね。


最後まで読んで頂きありがとうございました。

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