番外編・神保修理のゆううつ・祇園編③
神保修理は京都中を探し回ってやっと容保を見つけた。まさか祇園で遊んでいるとは思いもしなかった。
「殿ぉぉぉぉぉぉぉっ!!」
座敷の襖が、勢いよく開いた。
「……ん?」
容保が振り向くより早く。
ゴツン!!
「いてぇっ!!」
容保の頭に、見事な一撃が落ちた。
「な、何をするんだ修理!!」
「何をするんだ、ではありません!!」
そこに立っていたのは、肩で息をする神保修理。
そして、その背後には。
「殿!お覚悟くださいませ!」
薙刀を手にしたお雪が、にこやかに立っていた。
「…………」
容保の顔から、すうっと血の気が引いた。
土方は、そっと盃を置いた。
斉藤は、無言で顔を横に背けた。
「やっと見つけましたよ!三千院を捜索したり、三条の川辺を捜索したり、たまらず人に聞いたらなんと殿は祇園にいると!」
修理は額に青筋を浮かべ、容保を指差した。
「いってぇなぁ!修理!お前最近生意気だぞ!」
容保は殴られた頭を押さえながら修理を見上げる。
その瞬間、容保の頭に悪知恵が浮かび、その目が細められた。
「……なぁ修理。お前もなかなかのイケメンだ。恋文勝負をする気はないか?」
「こ、恋文勝負!?なんですかその学生みたいな勝負は!?」
「まあまあ硬いことは抜きだ!ここは祇園だぜ!?少しくらいハメを外していい場所なの!」
そんなルールあったっけ……?と斉藤は首を傾げた。
「それともお前……俺の言うことが聞けないと言うのか?」
容保はスッと立ち上がると、先程までは修理に殴られ涙目で醜態を晒していたのに、いきなり威厳のある『お殿様』の顔つきになった。
しかもなぜか色気がいつもの三倍増しだった。
この容保の態度の変わりようには、思わず土方も斉藤も背筋を伸ばし、修理も言葉に詰まる。
容保はゆらりと立ち上がると、先程まで激怒していた修理の前に立ち塞がる。
次でこの番外編(茶番ともいう)は終了です。
それにしても修理、いつもと違う容保公に振り回されてばかりですね。それがいいんです!
最後まで読んで頂きありがとうございました。




