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もう一度、あなたと。  作者: 杉野仁美
第四十三章・おとめとおときと斉藤と

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番外編・神保修理のゆううつ・祇園編③

神保修理は京都中を探し回ってやっと容保を見つけた。まさか祇園で遊んでいるとは思いもしなかった。

「殿ぉぉぉぉぉぉぉっ!!」


 座敷の襖が、勢いよく開いた。


「……ん?」


 容保が振り向くより早く。


 ゴツン!!


「いてぇっ!!」


 容保の頭に、見事な一撃が落ちた。


「な、何をするんだ修理!!」


「何をするんだ、ではありません!!」


 そこに立っていたのは、肩で息をする神保修理。

 そして、その背後には。


「殿!お覚悟くださいませ!」


 薙刀を手にしたお雪が、にこやかに立っていた。


「…………」


 容保の顔から、すうっと血の気が引いた。


 土方は、そっと盃を置いた。


 斉藤は、無言で顔を横に背けた。


「やっと見つけましたよ!三千院を捜索したり、三条の川辺を捜索したり、たまらず人に聞いたらなんと殿は祇園にいると!」


 修理は額に青筋を浮かべ、容保を指差した。


「いってぇなぁ!修理!お前最近生意気だぞ!」


 容保は殴られた頭を押さえながら修理を見上げる。


 その瞬間、容保の頭に悪知恵が浮かび、その目が細められた。


「……なぁ修理。お前もなかなかのイケメンだ。恋文勝負をする気はないか?」


「こ、恋文勝負!?なんですかその学生みたいな勝負は!?」


「まあまあ硬いことは抜きだ!ここは祇園だぜ!?少しくらいハメを外していい場所なの!」


 そんなルールあったっけ……?と斉藤は首を傾げた。


「それともお前……俺の言うことが聞けないと言うのか?」


 容保はスッと立ち上がると、先程までは修理に殴られ涙目で醜態を晒していたのに、いきなり威厳のある『お殿様』の顔つきになった。


 しかもなぜか色気がいつもの三倍増しだった。


 この容保の態度の変わりようには、思わず土方も斉藤も背筋を伸ばし、修理も言葉に詰まる。


 容保はゆらりと立ち上がると、先程まで激怒していた修理の前に立ち塞がる。


次でこの番外編(茶番ともいう)は終了です。

それにしても修理、いつもと違う容保公に振り回されてばかりですね。それがいいんです!


最後まで読んで頂きありがとうございました。

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