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もう一度、あなたと。  作者: 杉野仁美
第四十三章・おとめとおときと斉藤と

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番外編・神保修理のゆううつ・祇園編

引き続き番外編です。気楽に読んでくれたら嬉しいです。

 一方その頃。祇園にてーー


「いやあ、祇園というのは実に華やかなところだな!」


 ご機嫌な声を上げる男が一人。


 会津藩主、松平容保。


 普段の彼を知る者ならば、目を疑うような光景であった。


 何しろ、いつもは生真面目で、藩主としての責任を一身に背負い、黒谷の屋敷に籠もっているような男である。


 その容保が、今や芸妓の舞に目を輝かせ、酒を片手に上機嫌で笑っているのだから。


「殿……あまり羽目を外されませぬよう」


 傍らに控える土方歳三が、呆れ半分に釘を刺す。


「いいじゃないか。俺だって、たまにはこういうところで息抜きしたいんだよ」


「……左様ですか」


 土方の隣では、斉藤一がいつもの無表情で控えていた。


 もっとも、彼も内心では思っていた。


(……この方、本当に我らが主君、松平容保公なのか?でも敏姫様のこともあったしな……)


 斉藤は疑問に思ったが、敏姫様が謎の力で回復したということがあり、今回もその類だろうとすぐに切り替えた。


 そこで容保が突然、土方の方を向いた。


「なあ、土方」 


「はい?」


「勝負しようぜ」


「……勝負?」


 土方の眉が、ぴくりと動く。


「題して『どちらが一番、恋文をもらえるか』勝負だ!」


「…………は?」


 斉藤が目を見開いた。 


 土方は一瞬、容保の顔を見つめた後、ふっと口元を緩めた。


「……いいんですか?」


 余裕たっぷりの笑み。


 そう、この男は普段からよくモテる。


 女性からの視線にも慣れているし、甘い言葉の一つや二つ、何の苦もなく口にできる男。


 斉藤とは真逆のタイプだ。

何かを忘れている気がするけど果たしてこの勝負はどうなるのか!?


最後まで読んで頂きありがとうございました。

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