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もう一度、あなたと。  作者: 杉野仁美
第四十三章・おとめとおときと斉藤と

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頭では分かっているのに

おとめは頭では分かっているのにどうしても斉藤に怒りが向いてしまう。斉藤ならおときがこうなる前になんとかできたはずだと……

「……小太郎さん、お湯を用意してもらえないかね?」


「……ええ、ただいま」


 小太郎はそう言って台所へ戻ろうとした時、小太郎の小屋の前でウロウロしている斉藤を見つけた。


 斉藤は心配そうにこちらを見ては、右往左往していた。


 その姿を見て小太郎は困ったように眉根を下げて肩を落とした。


(斉藤さん……)


 小太郎は普段はでかい体を小さく申し訳無さそうにしている斉藤を哀れに思った。


「おとめさん、斉藤さんが来てますが……」


 小太郎は小屋に戻っておとめに話しかけた。

 おとめの顔つきが一気に険しくなった。


「……今はおときに会わせたくないね」


「でも……」


「斉藤のせいじゃないことはわかってる。でも……こんな」


 おとめは青白い顔をして寝ているまだあどけないおときの寝顔を見た。

 おとめの手が怒りとも何とも言えない感情で震える。


「今はダメだ。斉藤ならおときがこんな風になる前に助けられたってどうしても思っちまって」


(斉藤は、いつもおときの側にいたから……)


「そうですか……なら、そのように斉藤さんに伝えておきます」


 小屋から出た小太郎の足取りは重かった。

 

 虎之助とのやりとりで、斉藤が何も悪くないという事を小太郎も知っていたからだ。


 こちらに向かう小太郎の姿を見て、斉藤が小さく手を挙げた。


「……おときの顔を一目見たいのだが……どうだろうか?」


 斉藤のその問いに、小太郎は胸を痛めた。


(斉藤さんは何も悪くないのに。でも長年おときさんの側にいたおとめさんの気持ちもわかる……)


 小太郎は何も言わず、首を横に振った。


「そうか……」


 斉藤はそれだけ言葉を落とし、再び右往左往し始めた。


 小太郎はその姿に再び胸を痛めたが、おとめの指示に従って台所に消えていった。


おとめさんの気持ちもわかりますよ!混乱してるんですよね多分……


そろそろ飽きてきたかもしれないけどまだまだ続きます。書かせてください!


最後まで読んで頂きありがとうございました。

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