俺よりも強い奴と戦いたい
「やっぱり、ただの剣士じゃねぇな……!」
豹魔は首を鳴らし、両腕を広げた。
「もっと来いよ!遠慮はいらねぇ!俺をぶっ倒してみろ!」
斉藤は刀を構えたまま、静かに豹魔を見据える。
二人の間に緊張感を含む静寂が訪れる。
豹魔が再び地を蹴った。
豹魔は武士らしい切先の大きな刀を大きく振りかぶる。
斉藤は身体を低くして豹魔の懐へ潜り込んだ。
刀の柄が豹魔の肋骨を打つ。
ゴキっと、豹魔の肋骨が嫌な音を立てる。
「がっ……」
豹魔が息を詰まらせた。
斉藤はそのまま刀を返し、豹魔の腕を打ち据える。大きな腕が外側へ弾かれた。
「ぐっ……」
続けて斉藤は素早く足払いを仕掛ける。
巨体が傾いた。
しかし豹魔は倒れる寸前、斉藤の着物を掴んだ!
「捕まえた……!」
豹魔の大きな手が斉藤の肩を引き寄せる。
斉藤はすぐさま刀を引き、豹魔の手首へ柄を叩き込んだ。
「ぐおっ!」
斉藤は豹魔の指が緩んだ隙を見逃さない。
その手を振りほどき、間合いを取った。
ーー二人の間に、またもわずかな静寂が落ちる。
豹魔の着物はあちこち裂け、肩や腕には新たな傷が刻まれていた。斉藤もまた、肩口の着物が裂け、頬に細い傷が走っている。
一方の斉藤の傷は浅く、その構えと呼吸に一切の乱れはない。
「……まだ立つか」
斉藤が低く告げる。
豹魔は口元を吊り上げた。
「当たり前だろうが……!こんなところで終われるかよ!」
豹魔は両拳を握りしめ、地面を踏み鳴らす。
「俺はなァ、強ぇ奴とやり合うのが大好きなんだよ!」
(……皮肉なものだな……)
斉藤は何も答えなかった。
「オラァ!ぼーっとしてんじゃねぇぞ!」
言いながら豹魔が一気に距離を詰める。
豹魔の太刀が斉藤の顔面を狙い、斉藤は首を傾けてかわし、刀の峰を豹魔の腕へ滑らせた。
「先からちょこまかと逃げやがって!」
豹魔は腕を引くどころか、斉藤の刀ごと押し込もうとする。
(おときと出会う前は、俺も豹魔と同じだった)
ーー強いやつと戦いたい。
ーー俺よりも強いやつと。
バトルシーン長いですねすみません汗
最後まで読んで頂きありがとうございました。




