↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
もう一度、あなたと。  作者: 杉野仁美
第四十章・迫る危機・黒崎豹魔

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

435/488

触れたら爆発する地雷

おときの守護神斉藤が虎之助の前に現れ、虎之助は事情を説明する。

 それは恐ろしく静かな声だった。


 怒鳴られたわけでも、刀を抜かれたわけでもない。それなのに虎之助は、喉がひどく渇くのを感じた。


「さ、斉藤さん……実は、おときさんが……」


 虎之助は観念したように事情を語り始めた。


 事情を説明する間、斉藤は一言も発しなかった。

 ただ、その場に立ち尽くし、虎之助の言葉を聞いている。


 おときが一人で街へ出たがっていたこと。斉藤から贈られた鈴蘭のかんざしを着けて、せっかくのおめかしを楽しみたいと言っていたこと。


 そして、虎之助がその場を離れ、椿を呼びに戻ってきたこと。


 話が進むにつれ、斉藤の表情から少しずつ感情が消えていった。

 

 何を考えているのかわからない。


 まるで触れたら爆発する地雷のような気配が斉藤の周りを覆っていく。


「おときを一人で置いて行ったのか?……今の京都に……?」


 斉藤はやっと口火を切ったが、その言葉の一つひとつがまるで凶器のように虎之助の全身を刺した。


「……それで?」


「は、はい?」


「おときは今、どこにいる」


「三条大橋の近くです。人通りの多いところにいるように言い聞かせましたが……」


「……そうか」


 斉藤が腰の刀に手をかけた。


「……っ」


 虎之助はこの時ほど自分の判断を悔やんだことはなかった。

 いかに事情があったといえど、おときを一人にした事実は変わらない。


 虎之助はぎゅっと目を瞑り、俯くしかなかった。


 椿はその様子を少し離れたところで見ていた。

 

 椿は不逞浪士や野盗の殺気には慣れていても、斉藤のような根っからの剣豪の殺気には慣れていない。

 しかも斉藤は普段から何を考えているかわからない男だ。


虎之助は斉藤が現れたことで安心するかと思ったら恐怖が勝ったようですね。これも傍若無人な兄のせいでしょうか。


最後まで読んで頂きありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。