敏姫、護身術に挑戦
話し合いの末、敏姫様には少々危機感が足りないと結論が出た。
そこで斉藤、永倉の二人は……
翌日・会津藩 黒谷のお屋敷にてーー
昨日の一件――姫様が何も気づかないまま街を楽しみ、背後で『何か』が起きていたあの出来事。
その結果が、これだ。
「……というわけで」
腕を組みながら立っているのは、永倉新八。
その隣で無言で控えているのが、斎藤一。
「姫様には、護身の心得を少しばかり覚えていただこうと思いまして!」
やっぱり!
「ち、ちょっとお待ちくださいませ。姫様は容保様のご正室ですよ。そんな、護身の心得のような野蛮なことは……」
一方で当の姫様はというと。
「護身の心得……?」
きょとん、とした顔で首をかしげている。
そうそう!姫様は護身術など危険なことはしなくていいんです!
「つまりですね!」
私の言葉を無視して永倉が身振り手振りで説明する。
永倉!余計なことを言うんじゃないよ。
「もしもの時、自分の身を守るためのちょっとした動きです!」
「まぁ……」
姫様の目が、少しだけ輝いた。
ああ〜もう!興味を持っちゃったじゃない!
「危ないことはしません。簡単なものだけです」
斎藤が低く補足する。
珍しく優しい言い方……いや、いつも優しいのかもしれないけどこの人無表情だから分かりにくいのよね。
「……殿も、やってみるとよいと」
「えっ!殿も?」
容保様も??
「そうですか。殿が……//」
(私を心配してくれたのだわ//)
姫様の顔が、ぱっと明るくなり、胸元を切なげに押さえた。
(ああ〜もう……容保様がおっしゃるなら仕方ないや)
「やりますわ!とめ、私やりたいです」
「……なるべく危なくないやつでお願いしますよ」
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