どんなに離れていても。
「……永倉、この花の花言葉、知ってるかい?」
小菊が永倉の手のひらに残していった勿忘草の菓子を拾い上げ、呆然としている永倉に対し、おとめが言う。
永倉はぶんぶんと首を横に振る。知らないと。
「『私を忘れないで』って花言葉だよ」
「……ッ!!//」
【俺……ここに居てもいいんですか?】
【兄さん、助けてくれてありがとう】
【これが、私の気持ちです……】
私を忘れないでください。
私も兄さんのことを忘れません。
どんなに離れていてもーー
「こ……こ、こ、こ……」
永倉の脳裏に、台所でせっせと動く小太郎の姿。
菓子がうまく作れたときの小太郎の嬉しそうな顔。
小菊の姿の時のほんのり香る甘い香り。
小菊の綺麗な瞳、小菊の笑顔。
小太郎の姿の笑顔、兄さん、兄さんと呼んで、ちょこまかとついて回る姿が思い浮かぶ。
【兄さん、俺を忘れないでね】
忘れるわけない。忘れられるわけがない!!
「小菊ぅぅぅぅぅ!!!!」
永倉の大絶叫が、黒谷の屋敷中に響いた。
容保公は書を認めながら、ちょっとやりすぎたかな……と流石に申し訳なく思うのだった。
容保公は何も悪くないです。悪いのはおとめと敏姫様です(笑)
長かった永倉・小菊編もひとまずこれで終わりです。
最後の方は永倉の兄さん絶叫してばかりだったような気がするけど汗
永倉の兄さんが最高にかっこいい話は「ep.219.理性で抑えてきた獣」だと思います。
最後まで読んで頂きありがとうございました。




